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バイロン・ウィーンの魔法のDDMテーブル

ブラックストーンのバイロン・ウィーン、ジョー・ザイドル両氏が「2022年のびっくり10大予想」についてのウェブキャストを行った。
ウィーン氏はいつものように独自のDDMテーブルを用い、今年の米国株相場を占っている。


「インフレがコンセンサスより深刻になると予想する理由の1つは、CPIの構成比、そのうち2.5%を超える品目にある。
CPIを構成する83%の品目が2.5%を超えている。」

ウィーン氏がウェブキャストで、今年もインフレ高止まりを予想する理由を説明した。

2.5%超という数字はFRBの物価目標2%を逸脱すると取りうる水準を指したものだろう。
物価目標を逸脱する水準が広範な品目で実現していることは、FRBがインフレを制御できていないことを印象づける。
「びっくり大予想」でのインフレ予想は家賃などに牽引され4.5%上昇となっている。

「家計はインフレ上昇を予想している。
一部の人たちは、経験に基づいて合理的にそれを予想している。
だから、インフレについては3.5%でなく4.5%上昇を予想しやすくなっている。」

人々は実際のインフレに基づいて将来のインフレを「合理的」に予想しているという。
「合理的」だから、予想は当たりやすく、それがまた次の「合理的」期待を生んでいく。
ザイドル氏は、これまで人々のインフレ上昇予想が実際にかなり的中してきたと言い添えている。

昨年まで健全な楽観論を続けてきたウィーン氏だが、今年の「びっくり大予想」はかなり慎重なトーンになっている。
今年のS&P 500予想は、調整ありの横ばいだ。
ウィーン氏は1つの理由として(Ned Davis Researchの調査を示しつつ)まだ楽観的な市場心理を挙げている。

私たちは、みんなが悲観的な時に株式を買いたい。
今は彼らは楽観的で、これは市場が今年あまり上昇しないと考える1つの理由だ。

ウィーン氏はいつものDDMテーブルを使って、今年のS&P 500の相場観を語っている。

バイロン・ウィーン氏のS&P 500 配当割引モデルから抜粋し、EPS 250ドルで内挿したもの
バイロン・ウィーン氏のS&P 500 配当割引モデルの内挿

EPSを250ドルと見ると、(10年)金利が2%まではまだ現水準のあたりになる。
しかし、10年債利回りが2%を超えると、市場は問題に突入する。
特に2.50-2.75%になれば、市場は脆弱になりうる。

「びっくり大予想」での米10年債利回り予想は2.75%だ。

米長期金利が極めて低い水準まで低下してきたことは、これまでの米株価上昇の大きな要因だった。
結果、米国株の金利に対する感応度も高くなっている。
長期金利上昇に対し脆弱になりうるわけだ。
FRBが金融引き締めの意向を見せている今、なかなか強気にはなりにくい原因になっている。

ウィーン氏は最後にそのあたりのニュアンスを伝えている。

用心しなさい。
過去3年のようにはならないだろう。・・・
私たちは、今年がまた2桁上昇の年になる可能性は小さいと考えている。


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