バイロン・ウィーンの「2019年の10のサプライズ」

さらに、それほど重要でないもの、実現可能性が高くないもの4つを挙げている:


  1. 地政学的緊張が高まる。
    イランと北朝鮮は火種であり続け、米国は先制攻撃も辞さない姿勢を示し、結果、市場が売られる。
    しかし、選挙が近づく中で実際の戦争には発展せず、トランプ大統領の強弁がいくつかの外交課題で成果を上げる。
  2. 切羽詰まった中国がインフラ政策で経済刺激を試みる。
    実質成長は6.5%を達成するが、債務問題を世界が心配し、人民元に悪影響が及ぶ。
  3. 中国が「世界の自由貿易のリーダーになる」と宣言する。
    対米摩擦の損失を埋めるため、2国間での通商交渉を世界中の国と始める。
    すべてのセクターでJVにおける海外企業によるマジョリティを許容する。
    世界における中国の影響力が増し、米国はさらに孤立する
  4. イタリアの反抗・ドイツの鈍化・Brexitに対応し、ECBが量的緩和を再開する。
    イタリアはEUからのペナルティを恐れなくなり、景気後退に陥り、債務スプレッドが拡大する。

ウィーン氏の予想をおさらいしておこう。


  • S&P 500: 昨年末終値2,506.85から15%の上昇は2,882。
  • 米10年債利回り: 3.5%未満。
  • ドル相場: 昨年末程度(ドル指数96程度)
  • FRB金融政策: 利上げ・バランスシート縮小を停止。
  • 景気後退: 2021年以降。
  • 金価格: 1,000ドルへ低下。

足元の市場環境を考慮したのだろう。
いつも楽観的なウィーン氏としては抑え気味にも感じられる。
2018年のサプライス」では、同年末のS&P 500を3,000と予想していたから、1年先の予想としてかなりセットバックしている。
また、例年なら実数を示して予想していたが、今年は相対的な表現での予想が目立った。
これも、状況が流動的であるとの見方の現れかもしれない。

ウィーン氏は「サプライズ」策定にあたっての協力者について1月のコメンタリーの中で謝辞を述べている。
1980年代からの協力者としてジョージ・ソロス氏を挙げ、例年通り「ジョージ・ソロスが私のアイデアをレビューしてくれた」と書いている。
また、同僚のジョー・ザイドル氏が今年ならびに今後、重要な役割を担うとも記している。


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