バイメタリズムは第1級犯罪:ロバート・シラー

ロバート・シラー教授が、ダブルライン・キャピタルのジェフリー・シャーマン氏と広範な話題について対談している。


もう1つビットコインについて言うなら・・・みんな忘れているが、1890年代の金銀複本位制と似ている。
誰も生まれていなかったが、これが驚くほどビットコインに似ていた。
金銀複本位制は金本位制から金銀本位制へ変更しようという提案で、実現すれば約100%のインフレが予想されていた。

シラー教授がダブルラインでの対談で、ビットコインを19世紀終わりの金銀複本位制への移行提案と重ね合わせている。
「バカな若者」が、当時の金本位制に対し、銀も正貨に加えるべきと主張したのだ。
これに、法定不換通貨に加えて暗号資産も通貨としようとする近年の一部ブームを重ねたのである。

Facebookのリブラ、中国の暗号資産構想が各国中央銀行から関心を集めている。
新たに有力な価値の保存手段が生まれれば、既存の不換通貨が売られる可能性も否定できない。
仮にそうなれば、既存の不換通貨では通貨安とインフレが心配されることになる。

シラー教授は1890年代の複本位制提案を「第1級犯罪」とこき下ろしている。

「物価が突然倍になれば、フィクスト・インカムの価値は半分になる。
契約を金で定義してあったのだから、これは純粋な窃盗だ。
最も愚かな考えであり、完全に国家を荒廃させる。」

1896年大統領選の民主党候補ウィリアム・ジェニングス・ブライアンが、この複本位制を掲げて選挙を戦った。
選挙の結果いかんでは「最悪の災難になると考えられ・・・企業活動が停止した」のだという。
シラー教授は結果を皮肉っぽく紹介している。

「幸運にもウィリアム・ジェニングス・ブライアンは負け、米国は金本位制に留まった。
でも、結局は(金本位制を)廃止したけどね。」


現在「最悪の災難」をもたらしうるのは暗号通貨だけではない。
不換通貨においては金融緩和もまた同様の効果を及ぼしうる。
現在が幸運なのは、経済のファンダメンタルズの側にディスインフレ要因が存在すること。
逆に不幸なのは、貨幣の制度の側にもはや常態となった非伝統的金融政策が幅をきかせていることだ。

シラー教授は、現在存在する重要なバブルは何かと尋ねられ、2つ挙げている。
1つは債券市場、もう1つは住宅市場の一部だ。
「住宅市場」から連想することを尋ねられると、教授はこう語った。

2005年の再来だ。
(聴衆ざわめく。)
それが真っ先に頭に浮かんだんだ。

サブプライム/リーマン危機へのカウントダウンが始まった年をシラー教授は挙げたのだ。
これは投資家を震え上がらせるのに十分な発言だった。

「2005年は、私がバブルを疑い始めた年だ。
住宅価格上昇が鈍化した年だ。
それと同じことが起こっている。」

シラー教授は、住宅市場が過熱している場所としてカナダやオーストラリアを挙げた。
ただし、これらはまだ上昇している。
変調が見えるのがダブルラインが本拠を置く西海岸、サンフランシスコやロサンゼルスなど。
ここで上昇ペースが鈍化している。

シラー教授は、これをどこまで悲観視すべきか迷っているようだ。

でも、それほど積極的に弱気予想をしてはこなかった。
2003-04年ほどにはバブルに対する興奮が見られない。
アメリカ人は住宅価格暴落に少し懲りたんだろう。
現在はそれほど熱狂していない。
だから、同じことが起こるかどうかはわからない。

ダブルライン・キャピタルは、債券王と称えられるジェフリー・ガンドラック氏が率いる投資会社。
シラー教授のCAPEレシオを応用した株式ファンドThe DoubleLine Shiller Enhanced CAPE(DSEEX)も運用している。


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