政治

バイデン勝利で予想される最悪のシナリオ:ヌリエル・ルービニ
2020年6月15日

終末博士、ヌリエル・ルービニ ニューヨーク大学教授が、米国の現状について踏み込んだ予想をしている。


FRBのバランスシートはそれ以来倍になった。
長い目で見て、これはインフレにつながる。

ルービニ教授が独SPIEGEL Onlineで、中長期的にインフレが上昇すると予想した。
コロナ・ショックの現在、米経済もデフレ的だ。
しかし、それが癒えるとともに、インフレ要因が顕在化してくる。
その1つ目がFRBバランスシートの拡大、つまり貨幣的インフレである。
そして、2つ目がサプライ・サイドが被るいくつかのショックだ。

「グローバル化は金融危機後すでに峠を越え、パンデミックがそのトレンドを強化した。
私たちは今、国家主義への回帰、サプライチェーンの分解、米中貿易摩擦を目の当たりにしている。」

ルービニ教授は、コロナ・ショックの前からインフレ傾向を予想してきたが、コロナ・ショックによりその懸念を深めたようだ。
ただし、インフレを予想する一方で、金利上昇は予想しない。
金利上昇となれば、莫大な債務を抱える政府・企業が「木っ端微塵」になるため、低金利が維持されると予想している。

全米デモの実相

ルービニ教授は、米経済の歪な構造を心配する。
コロナ・ショック対策にしても、政府が大企業に手厚い一方、中小企業は厳しい状況に置かれている。
富裕層が富を独占し、アメリカ人の40%が非常時のために400ドルの現金も持っていないと紹介する。

「米国はその非常時を迎えている。
システムが病んでおり、そのために人々が街に出て(デモをして)いるんだ。」

デモの本質は、警官がアフリカ系市民を死に至らしめたことだけではない。
人種差別だけでない、社会の分断が存在する。

ルービニ教授は、自宅のあるロアーマンハッタンでのデモ参加者の3/4は白人だと話す。

「多くが若く、都市の『プロレタリアート』だ。
従来の労働者階級『プロレタリアート』に代わって、新たな先進サービス経済の下層階級に属している。・・・
正規のフルタイムでない労働者は3か月過ぎると失業保険を受け取れなくなる。」

トランプ敗北で起こること

こうした社会の分断を、トランプ大統領はむしろ利用してきたところがある。
しかし、最近の報道を見る限り、その戦略もあまりうまくいっていないようだ。
非常時にしては、大統領の支持率は一向に高まらない。

ルービニ教授は民主党政権に期待したいようだが、見通しは厳しい。

「ジョー・バイデンがワシントンを思うままに動かすには、ドナルド・トランプを大差で破らなければならない。
しかし、そうはならないだろう。
トランプを大統領にした白人労働者階級の支持があっても、トランプがかろうじて2期目を務めるか、トランプが僅差で敗れ、その結果を受け入れないかだ。」

トランプ再選なら、米国はあと4年、不安定な年月を過ごすことになろう。
むしろ問題は、トランプが僅差で敗北するシナリオだ。
2000年大統領選(ブッシュ(Jr)対ゴア)は最後までもつれ、フロリダ州で再集計が行われる事態となった。
ゴア陣営は行政や司法に再集計を求めたが、最後は連邦最高裁判決を受け入れる結果となった。

ルービニ教授は、トランプならばゴアのような行儀のいいやり方にならないと警告する。

トランプは中国・ロシア・黒人・移民のせいにし、バナナ共和国の独裁者のようにふるまうだろう。
支持者に武装を呼び掛け、通りをたくさんの白人差別主義者が走り回るだろう。
憲法修正第二条を持ち出し、武装がアメリカ人の権利だというだろう。


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