ハワード・マークス
 

ハワード・マークス:ソフトバンクGの未来

Oaktree Capitalのハワード・マークス氏のUCLA対談の第3弾、ソフトバンクについて。
カネ余りがファンド業界の劣化を誘引しかねないと心配している。


今、日本のソフトバンクが1,000億ドルのファンドを組成し、必ずしもベンチャーだけでなくすべての発展過程の企業へ投資しようとしている。
しかし、私は1,000億ドルもの資金を思慮深くテクノロジー分野に投資できるとは思わない。

マークス氏がUCLAでの対談で語った。
ソフトバンクグループの評判が芳しくない。
1980年代後半の日本企業による海外資産爆買いのように揶揄の対象になることが多い。
マークス氏は、投資資金の規模と投資の成功の間の関係について経験則を語る。

「1990年代にとても成功したベンチャー・キャピタルは1-2億ドルの資金調達をした。
そして、1999-2000年(ドットコム・バブル)には3桁のリターンを上げた。
もちろんこれによってみんながVCに投資をするようになり、VC各社は10-20億ドルの資金調達をした。
これらファンドは著しく失敗した。
あまりにも少ない投資案件にあまりにも多くのVCが殺到したんだ。」


カネ余りの世の中で、投資対象は枯渇していく。
たとえ投資先を確保できても、投資価格は高くなっている。
リスクは高く、リターンは低くなってしまう。

マークス氏は、ソフトバンクグループについて、あるベンチャー・キャピタリストの友人から聴いた話を紹介した。

「彼らは若い企業のところに行って、20億ドル投資したいと申し入れた。
企業側は答えた。
『私たちは20億ドルも要らないし、20億ドルも使えない。
しかも、会社の80%を売却するつもりもない。』
すると、彼らは言った。
『もしも投資を受け入れないなら、競合相手にその資金を投資する。
競合相手があなたの会社を潰すだろう。』」

マークス氏の危機感は、カネ余りのもたらす低リターンだけではない。
多すぎる資金が、その持主だけでなくファンド業界全体にとって悪い作用を及ぼすことを心配している。
投資における規律が劣化してしまう。
それが、他の投資家にも伝染していく。
業界が底辺への競争に明け暮れてしまうのである。

マークス氏は不吉な経験則を語る。

これがどう巻き戻すか、発現するか、正確に予想することはできない。
しかし、過剰な資金・過剰なアニマル・スピリットによってエスカレートしたものは、いつか現実に戻る。
それが通常なんだ。


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