ヌリエル・ルービニ:だらだらと続く弱気

「終末博士」の異名をとるNouriel Roubiniニューヨーク大学教授が、社会に立ち込める楽観論に疑問を呈している。
世界の主要4大経済(中国、ユーロ圏、日本、米国)の歩む3つのシナリオを呈示し、将来を占っている。


ルービニ教授がProject Syndicateで想定する3つのシナリオを説明している:

  • 強気シナリオ
    4大経済が構造改革を実行し潜在成長率を向上させるとともに、金融市場の脆弱性に立ち向かう。
    世界の株式市場は強いファンダメンタルズに裏打ちされて上昇を続ける。
  • 弱気シナリオ
    4大経済が構造改革を実現できず、潜在成長率が上がらない。
    米国が「過剰な財政刺激策を採れば、財政赤字と政府債務が膨張を続け、金利上昇とドル高を呼び、それがさらに経済成長を弱める。」
    潜在成長率が低いままで、緩和的な金融政策が継続されれば、物価・資産価格とも上昇し経済の減速をもたらすという。
    教授は、資産バブル崩壊やインフレ昂進が不況や金融危機をもたらす可能性があると警告している。
  • 教授のメイン・シナリオ
    主要経済の構造改革が十分でなく、強気シナリオを実現するには不足に終わる。
    「日本では、ますます役に立たなくなっていく安倍政権が最小限の改革しか行わず、潜在成長率が1%未満にとどまる。」

教授が問題視するのは自身がメイン・シナリオに据える3つ目のシナリオだ。
強気シナリオと弱気シナリオの真ん中に位置するメイン・シナリオでは、結果が真ん中に終わるだけでは済まないのだという。


このシナリオは安定した平衡状態ではなく、経済・金融・地政学的ショックに対して脆弱な不安定な非平衡状態を示している。

非平衡状態だから、ほんのちょっとのショックでも転がり落ちてしまう。
目先はなんとか乗り切れるかもしれないが、いつ転げ落ちるかわからない。
ルービニ教授は、たとえ目先を切り抜けたとしても、3-4年のうちにより弱気な見通しに直面することになると指摘し、世界が目指すべき方向を示している。

「政治のリーダーや政策決定者が、よりよい中期的見通しを担保するのに必要なリーダーシップを発揮しなければならない。
さもなくば、ダウンサイド・リスクがまもなく実現し、世界経済に深刻なダメージを与えることになる。」


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