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ドル覇権を揺るがすもの:ケネス・ロゴフ

ケネス・ロゴフ ハーバード大学教授は、米ドルの基軸通貨としての地位は短期間には揺るがないとしつつ、それを揺るがしうるイベントをいくつか挙げている。


中国は自分たちがとてもうまくやっていると考えており、事を荒立てようとは考えていない。
中国のテクノクラートたちは20年近くも、他国のように物価目標体制に移行すべき、より独立性のある中央銀行にすれば状況が安定する、多くの理由でドル・ペッグはよくない、と言ってきた。

Bloombergから、中国は(これまでの米国のように)人民元を武器にしようとしているのかと尋ねられ、ロゴフ教授が答えた。
長く中国に注目してきた教授の話からは、中国国内の温度差のようなものも感じ取れる。

(中国の)政治家は、良い状態なのだから(テクノクラートの促す改革を)やらなくていい、と言ってきた。
長い目で見て、人民元をまず初めに米ドル、少なくともユーロと同等にしよう、最終的には取って代わろう、と意図してきた。

近視眼的な政治はいずこも同じらしい。
経済が大きくなっても政治は途上国のままということか。

ロゴフ教授は、米ドル覇権がすぐに人民元にとって代わられるものではないと話す。
長い目で見て中国の発展が続くにしても、それだけで基軸通貨が変わるものではないためだ。
教授は、ある基軸通貨が生まれると通常1世紀以上続くと説明する。
現在、ドルは世界の債務の60%を占め、他国もそれに依存していることから、すぐには変わりえないという。

一方、ロゴフ教授は、ドルから人民元への移行を後押ししうる要因も2つ挙げた:

  • デジタル人民元の開始
  • システムへのショック

システムへのショックというのはかなり抽象的で、多くのイベントが当てはまりそうだ。
より具体的に何を指すのかと押し込まれると、ロゴフ教授は「やれやれ」と漏らしながらも少しだけ具体的な内容を続けている。

もちろん、金利が上昇していたら、世界はひっくり返っていただろう。
米欧の最大の差であるワクチンが行き渡れば、多く見つかるだろう。
米国と同様の規模の欧州が停滞している限りは、世界の金利・インフレに何が起こるか予想するのがとても難しい。
だから、そうなるまで、まだ米国には時間があるが、そうなった時に次に何が起こるかはわからない。

すぐにはドル覇権はなくならないといいながら、差し迫った変化も否定していないように聞こえる。
覇権は続くが、変化も続くということだろうか。


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