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ドル相場はさらに15%下落が続く:PIMCO

米大手債券ファンドPIMCOがドル安を予想している。特にドル/ユーロについて下値のめどを具体的に挙げている。


ドルが弱含みなのは世界経済の回復を反映したものだ。

PIMCOのエコノミスト ヨアヒム・フェルス氏がBloombergで、現在のドル安傾向の主因を解説した。
ドル凋落などの終末論と比べて、なんとオーソドックスな説明であろう。
投資家はとかく大きな変化に浪漫を馳せるものだが、こうした当たり前のストーリーにこそほとんどの場合真実があるのだろう。

フェルス氏は、コロナ・ショックの中で「安全通貨」ドルが買われていたと指摘。
それが足元の世界経済の回復の中で逆転し始めているという。
中国や欧州など世界経済で回復が見え始め、ドルに集まっていたマネーが再び他の通貨に向かっている。
同氏は、今後6-12か月この傾向が継続すると予想している。

フェルス氏は可能性として、十分な財政支援策が講じられない場合などリスク・オフが強まりドル高となる可能性も指摘した。
ただし、現状そうしたシナリオはメイン・シナリオではないという。

エコノミストのオーソドックスだが少々退屈な予想に比べ、ストラテジストとなるともう少し投資家目線の語り口になる。
同社のストラテジスト ジーン・フリーダ氏は同じBloombergで、他地域との比較という観点にまで具体的に言及している。

私の前提では、今サイクルの中でドルはさらに15%下落するだろう。
FRBが実質債券利回りを低く抑え、経済回復とともに低下するだろうとコミットしていることを考えれば、合理的な予想だ。
そこで大きな疑問が、他の中央銀行がそれに反応するかだ。

為替相場とは通貨間、あるいは地域間の相対的強弱によって決まるものだ。
ドル安によって通貨高圧力が加わるのを嫌う諸外国の中央銀行は、金融緩和で通貨高阻止を狙うかもしれない。

フリーダ氏は、ユーロ/ドルについて欧州がユーロ高を問題視するタイミングを予想している。

現在はまだそうなっていないが、1.25-1.30になれば、市場は心配し始めるだろう。

フリーダ氏はもう1つ、ドル安がG10通貨の中で進むのか、対新興国通貨でも進むのか、という問いにも言及している。
問題意識を持ちつつも、まだ明確な答を得ていないようだ。


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