ドル崩壊、金本位制が復活する:ピーター・シフ

ユーロパシフィック・キャピタルのピーター・シフ氏が、中央銀行の金融緩和を批判した。
それゆえにドルは崩壊し、金本位制が復活すると述べ立てている。


FRBは今利下げすべきではない。
経済は景気後退に向かうが、私たちの病気の治療法は利下げではない。
景気後退を甘受すべきなんだ。

シフ氏が18日のFOMCの直前、露RTで、いかにも受けの悪そうな持論を述べている。
決してばかげた意見ではないが、こうした意見は政治家や大衆からの受けがよくない。

「金利上昇は浄化プロセスの一部なんだ。・・・
しかし、FRBには正しいことをやる度量がない。」

シフ氏は、FRBがウォール街の喜ぶ利下げを進める結果、実体経済の回復は得られず、バブルだけが温存されていくと言う。
すべてを間違いと言えないだけに、気持ちを暗くさせる批判である。

踊場に達したように見える金相場について尋ねられると、シフ氏は独自の解釈を与えている。

「(金が)上昇しないのは多くの投資家が今起こっていることを理解していないためだ。
FRBほかの中央銀行を信頼している。
このバブルを信じ込んでいる。」

シフ氏によれば、投資家はリーマン危機前と同様騙されているという。
同氏は再び危機が起こると暗示し、前回と今回の違いを説明している。


「違いは、前回は救済されたということだ。
・・・今回はそうはならない。
中央銀行がそうしようとしないのではなく、成功しないのだ。」

たいした根拠を示さずこうした大きな予想を述べるのがシフ氏の危うさであり楽しさでもある。
シフ氏は、お家芸の終末論を展開する。

経過の中でドルが破壊され、おそらく不換通貨制度全体が崩壊する。
・・・金本位制が復活するだろう。
ドルが取って代わるまでのはるかに健全な貨幣制度なのだから。

本当に健全な貨幣制度なら今も続いていたはずだから、重大な問題があったのだろう。
しかし、シフ氏はその点にはお構いなしだ。
とことん心の強い人なのだ。
シフ氏は金を「誠実なマネー」と呼び、金本位制を復活させることで、世界経済の持続可能性が改善すると述べている。

この人の不思議なことは、決して無知なのではない点だ。
むしろ博識であり聡明だ。
それなのに、かなりバイアスのかかった見解を押し通している。
金本位制には硬直的なマネー・サプライの弊害があることを承知の上で、持論を展開しているのだ。

番組の最後、すべてを言い終え、シフ氏はこの日一番の笑顔を見せた。
やりきったことに満足したのか、自分の吐いたブラックな決めセリフに悦に入ったのか。

たくさんの問題が表面化するだろう。
たくさんのデフォルト、倒産だ。
しかし、トンネルを抜ければ、明るい光に包まれるだろう。
でも、電車と出くわさないことを祈っているよ。


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