ドルは上がらない:バイロン・ウィーン

ブラックストーンのバイロン・ウィーン氏が、米国株やドル相場について上値の重さを指摘している。


合意の詳細を見ないといけないが、中国との合意はこれまで市場の障害だった。
もしもこの合意が意味のあるものならば、株式はさらに上昇するだろう。

ウィーン氏がCNBCで、トランプ大統領が大きな成果と自慢する中国との部分合意について、条件付きながら前向きに評価した。
しかし、市場の多くと同様、ウィーン氏による評価は決して高くない。
条件に付けた「意味のあるもの」の条件を3つ例示している。

  • 中国が知的財産の接収をやめる。
  • 金融市場を開放する。
  • 中国のパートナーなしでの中国進出を認める。

ウィーン氏は、現時点でこれらがすべて合意されたとは考えにくいと指摘する。

「ありそうなのは、いくつかの貿易慣行についての小さな合意であり、中国が米国の大豆ほか農産物を買うというようなことだろう。
私は今回の合意が広範なものにはならないと考えている。」

関税による脅しを和らげるのと引き換えに、自身の支持者への利益供与の条件を引き出す。
ウィーン氏はじめ市場は、そういう見えすいたやり方をすっかり見通している。
見通されているものは、すでにおおかたが市場に織り込まれていると考えるべきかもしれない。

ウィーン氏によれば、大統領選について市場がトランプ大統領の再選を想定しているという。

「現時点では市場はドナルド・トランプが弾劾にも関わらず2期目を務めると想定しているようだ。
上院では有罪とされないためだ。
これには他にも新たなカードが切られそうだから、完全に逃げ切れるかどうかはわからない。」

ウィーン氏は、このシナリオと関連して、景気後退到来の時期を読んでいる。
トランプ大統領は景気後退となれば再選を目指せないとし、何が何でも景気後退を後倒しするとの考えだ。
もっとも、それが確実に実現するとも言えないという。

「景気後退を避ける方法は、財政・金融政策だ。
米国はすでに1兆ドルの赤字であり、すでに金融緩和政策を行っていて、どれだけ追加緩和できるか。
通常の政策ツールは存在しない。」


財政・金融政策ともに通常のやり方で追加的に経済を刺激するのは限界に近いという見方である。
しかし、それでも追加の刺激策が講じられると予想している。

「だから、政策決定者はいくらかの財政政策といくらかの金融政策を講じ、次の景気後退を可能な限り遅らせようとするのだろう。
これは株式市場にはプラスだ。」

ウィーン氏は決して追加の刺激策が必要と考えているわけではない。
同氏の《あるべき論》はこれ以上の金融緩和は不要というものだ。
その上で、持論と予想を別のものと考え、財政・金融刺激策が行われると予想しているのだ。
実際、ウィーン氏は、これ以上の利下げは株式市場を押し上げるだけで実体経済を助けはしないと指摘している。

ウィーン氏は、足元の米市場の相場観を語る。

「市場とは常に10%の調整を起こしうるものだ。
しかし、現在の金利を前提にすると市場は割高ではない。
S&P 500は3,000超でも問題ない。」

確かに現状の低金利を前提とする限り、足元の株価に割高感はない。
では、当面低金利が持続するとして、さらなる上値の可能性はあるのか。
ウィーン氏は理屈通り「企業収益しだい」と指摘し、上値の重さを指摘する。

「企業収益は期待はずれだった。
強まるとは見ていない。
2020年に5%の利益改善があれば御の字だ。
だから、市場の上値は重いが、いくらかアップサイドもありえる。」

ウィーン氏はドル相場について、現状の経済環境から見て大きなドル高進行は考えにくいとコメントした。

米国は再び利下げすると見られ、それはドル相場にはマイナスだ。
米経済は1.5-2.0%ととてもゆっくりと成長している。
ドルは現時点でいっぱいいっぱいだ。
急落するとは思わないが、ここから上がるとも思わない。


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