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ドルが基軸通貨の座から転げ落ちる時:デニス・ガートマン
2020年9月4日

デニス・ガートマン氏が、インフレと金利の動向を予想し、最近のポジション変更、ポートフォリオの構成比変更について話している。


債券市場の動向に注意しろ。
イールド・カーブの長期側に注意しろ。

ガートマン氏がIDXのインタビューで、米長期金利の動向について注意するよう警告した。
同氏が長期金利上昇を予想する背景は、インフレ圧力が発生しつつあると見るからだ。
インフレ圧力が発生し始めれば、通常数年で現実にインフレが進行するという。
FRBがまだイールドカーブ・コントロールにまで踏み出さない中、インフレ進行は長期金利上昇につながる。
インフレ要因の長期金利上昇は資産価格にはマイナスだ。

これは大きな変化だ。
私たちはグローバル化の拡大により25年間デフレ圧力を受けてきた。
今はグローバル化が収縮し、それは有害でしかなく、インフレを支えるのみだ。

世界が内向きになりつつあり、過去世界に恩恵を与えてきたグローバル化が巻き戻しを始めるかに見える。
これは低コスト調達を難しくする。
こうしたインフレの土壌が出来上がる中、政策はインフレを助長する方向を向かざるをえない。

「金融当局には他の選択肢がない。
これまでと同様金融緩和を続けざるをえない。
あるいは緩和を強化せざるをえないかもしれない。・・・
財政当局はもっと積極的にやらざるをえない。」

この構図がガートマン氏や市場参加者のインフレ懸念を煽っている。
それに加えて、大きな絵を求める人たちは米ドルの準備通貨としての地位を話題にする。

ガートマン氏は、疑問の余地なく人民元が次の主要準備通貨の候補になると予想する。
他になりうる通貨がないためだ。
一方で、人民元が米ドルのライバルとなりうるにはまだ25年はかかるとし、条件として軍事力、とりわけ海軍力が要件になると説明した。

そうなるのは数十年後で、今後2-5年、たぶん10年ほどは心配無用だ。
米ドルは世界の準備通貨であり続け、そうであるうちは金市場の阻害要因になる。
強いドルは常にどこでも金価格上昇を阻害する。・・・
それが変わるのは私が死んだ後のことだ。

極めて現実的な見方だろう。
人民元の準備通貨としての地位は今後も向上していこうが、それと米ドルにとって代わるという話にはまだ差がある。

ガートマン氏は、それでも足元で弱いドルと強い金を予想している。
ドル建て金価格はまだ上昇を続けると予想している。
最近、自身のポジションに施した変更を2点明かしている。

  • イールド・カーブの長期側をショートし、金市場をロング。
  • 毎月配当を支払う高配当株(年ベース配当利回り6-10%)をロング。

この行動からうかがわれるのは、公言したとおり、インフレと金利の上昇への対処だ。

  • 長期金利上昇(=長期債価格下落)を見込んでいる。
  • 金価格上昇を見込んでいる。
  • インカム・ゲインを債券でなく高配当株で得ようとしている。

ガートマン氏は、ポートフォリオの構成比についても話している。

もしも60/40ポートフォリオ(株式60+債券40)から始めたなら、株式40+債券40+主に金などインフレ・ヘッジ20とすべきだ。・・・
さらに何か変えるとするなら、よりアグレッシブにいかなければならないなら、40+40+20を株式40+債券30+金30にするだろう。
私はそれほど現在の債券市場を心配している。

注目すべきは、金に20配分する際に債券からでなく株式から持ってきている点だろう。
ガートマン氏は株式についてもあまり強気でないようだ。


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