ドラッケンミラー:2%物価目標は学者の宗教

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かつてジョージ・ソロス氏率いるクォンタム・ファンドの運用に12年間携わり莫大な利益をもたらしたことで有名なStanley Druckenmiller氏が、硬直的な物価目標を厳しく批判している。
経済環境にかかわらず各国がいつまでも同じ目標に固執する様を「学者が始めた宗教」と喩えている。


BOEの研究によれば、過去700年のインフレの平均は1.08%だ。
今起こっているのは、ベン・バーナンキが
『ゼロ金利近傍でとても恐ろしいことが起こり、デフレで死にかねない』
と人々の考えを誘導したようなことだ。


Watch CNBC’s full interview with legendary investor Stanley Druckenmiller from CNBC.

ドラッケンミラー氏は、FRBが低インフレの脅威を強調しすぎてきたのではないかとCNBCで語った。
FRBの立場になれば2%物価目標を維持する必要があることを認めながら、その杓子定規な側面に疑問を呈する。

「2%物価目標は学者たちが始めた宗教のようなものだ。」

ドラッケンミラー氏は、2%物価目標が過去の歴史に照らしても適切ではないという。
同日のウォールストリートジャーナルの1面記事『Amazonはいかに雇用を難しくしたか』を挙げ、革新が起こる時にインフレが低下するのは当然と言う。
それはまさに革新の恩恵であって悪ではない。
その時に量的緩和を行う意味がどこにあるのかと疑問を呈している。

「2%信仰がいつでも適切だという信仰はかなり愚かなものだ。
前回の大革新の時期(産業革命)、1800年代終盤にも10-15年のデフレがあったが、急激な実質成長も遂げている。
1950年代、インフレは1%、いい時にはもう少し低かった。
FF金利は4%、経済は急成長し危機もなかった。」

愚かさは時間の観点だけでなく、地域の観点でも見受けられる。
多くの先進国が等しい2%物価目標の下で異なる政策金利を設定している。
地域ごとに政策金利が異なるのは当然のことだが、それなら物価目標も異なってしかるべきではないのか。
ドラッケンミラー氏は、各国中央銀行の時間・地域を超えた画一性を不合理だとして、2%物価目標を学問でも政策でもなく「宗教」と揶揄しているのだ。

ドラッケンミラー氏は、こうした信仰が資源配分に歪みをもたらしかねないと心配する。
物価上昇率を2%にまでする必要がない時期・地域なのにそれに固執すれば、過度な金融緩和を継続することになる。
それは本来必要としないものにまで社会の資源を向かわせかねない。
ドラッケンミラー氏は、ビットコインもそうした現象と無関係ではないという。
同氏のビットコイン評は厳しい。

「私が面白いと思ったのは、ビットコインの関係者がみんな気候変動を心配する人たちということだ。
西海岸の人たちだ。
これほど(マイニング時の電気の浪費で)気候を破壊しているえせ通貨を支持すべきという話との関係がわからない。」

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