ドイツ銀行は氷山の一角:ジム・ロジャーズ

ジム・ロジャーズ氏が、経営難に苦しむドイツ銀行についてコメントした。
これは氷山の一角にすぎず、今後もっと多くの問題が発生するだろうと予想した。


金融システムに問題が発生しており、これ(ドイツ銀行の経営難)は起こっていることの1つの兆候でしかない。
こうしたことは1930年代・1960年代・1990年代の金融危機でも見られたことだ。

ロジャーズ氏がロシア国営RTの電話インタビューで語った。

経営難が伝えられてきたドイツ銀行は7日、投資銀行業務の大幅縮小を含む経営再建策を発表した。
3年で合計1.8万人(従業員の約2割)の人員削減を実行し、株式売買業務から撤退するという。
さらに、不良資産を切り離し、バッド・バンクへ移管することを模索している。

ロジャーズ氏は、ドイツ銀行の巨額赤字計上について、世界の中央銀行がもたらした副産物であると指摘する。
「ばかげた水準」まで引き下げられた金利によって、銀行がリターンを求めて高いリスクを抱えざるをえなくなったとの考えだ。

「安定し健全だった銀行が投機的な貸出を始め・・・そして、かつて強大だった銀行が経営難に陥っている。」

もっとも、これまで表面化している損失の多くは商業銀行業務(預貸など)によるものではなく、投資銀行業務によるもののようだ。
2018年に導入された第2次金融商品市場指令(MiFID 2)、パッシブ運用の増加などの影響もあり、株式売買業務のうまみは減った。
これに対し、CDSなどを含むと噂されるデリバティブ業務により利益かさ上げを図ったが、これが不良化したものと見られる。
仮に、商業銀行業務においても不良資産が増えるようなことになれば、これは大ごとだ。


ロジャーズ氏は、現時点でドイツ銀行が破綻に向かうとは考えていない。
ドイツNo.1の銀行がさらに深刻な経営状態となれば、当然ながら政府の支援も予想される。
ただし、生き残るにしても、その業態は変化せざるをえないだろうと予想している。

ロジャーズ氏は以前から、金融危機は誰も注目していないところから徐々に始まると話してきた。
先の世界金融危機で言えば、2007年のアイスランド破綻のようなものだ。
そして、足元でもラトビアの銀行、アルゼンチン、ベネズエラ、トルコ、インドの銀行、インドネシアなどで兆候が見え始めていると警告していた。

これがまた起こっている。
スカンジナビアに目を向けると、長年の歴史ある銀行が今問題を抱えている。
これは時代の兆候にすぎず、今後もっと多くの問題が発生するだろう。

ロジャーズ氏は、崩壊とは予期せぬところから起こり、世界市場をクラッシュさせるものだと話す。
現時点でドイツ銀行の破綻を予想しないとしながら、仮にそうなれば雪だるま式に問題が大きくなるという。

「ドイツ銀行が破綻するとすればサプライズだ。
世界市場を下落に導くだろう。」

ドイツ銀行については債券王ジェフリー・ガンドラック氏も早いうちから注目していた。
同氏は、マイナス金利が通貨安やインフレをもたらさず、デフレ的なものと指摘していた。
最近もドイツ銀行を欧州の銀行システムの脆弱性の象徴と表現し、行き過ぎた金融緩和を一因に挙げている。


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