海外経済

トルコ通貨危機は本格的経済危機の可能性も:モハメド・エラリアン
2021年12月18日

アリアンツ経済顧問のモハメド・エラリアン氏は、深刻な通貨安とインフレの中で利下げを行うトルコの姿勢を「パズル」と呼んでいる。


「トルコが外為市場を安定化させる必要があることを理解するまでにどこまで行くのか、みんな途方に暮れているんだ。」

エラリアン氏がCNNで、トルコに対する周囲の見方を代弁した。

トルコ中央銀行は16日、1週間ものレポ金利を1%ポイント引き下げ14%とした。
利下げして14%というのも驚くが、利下げがインフレ悪化と通貨安の中で行われているところも驚きだ。
エルドアン大統領は来年の最低賃金を50%引き上げると発表したが、特に海外からは冷めた視線が集まっている。

利下げが経済に良い結果をもたらしうる状況は存在するものの、トルコはそのような世界に属していない。
現在トルコは自ら招いた通貨危機の真っただ中だ。

エラリアン氏はエルドアン政権の失策を指摘する。
同氏によれば、悪いことが他に「伝染」するような状況になりつつあるとし、現在の通貨危機が「本格的な経済危機に発展」しかねないと警告している。
エラリアン氏は経済学や実際の証拠に反するように見えるエルドアン政権の政策を「パズル」と形容した。

トルコのCPI
トルコのCPI

トルコの公式のCPIは20%を超えている。
(実感は50%を超えているという報道もある。)
この状況を見ないと、利下げして14%となる理由が理解できない。
しかし、なぜ高インフレ下で利下げするのか。
まさにそれが「パズル」だ。

トルコのCPI(長期)
トルコのCPI

まさか昔に比べればましと考えているわけでもあるまいが。
指導力のありすぎるリーダーを戴くのも考えものだ。

USドル/トルコリラ相場
USドル/トルコリラ相場

トルコリラは今年だけでも価値が約半分にまで減価している。
通貨安の本質をエラリアン氏は解説する。

これは高インフレを意味し、トルコ人の購買力が侵食されたことを意味する。
それに加えて、無秩序なボラティリティも見え始めている。

程度の差こそあれ、重商的な考えを政策の中心に据え、通貨安を堅持する国は多い。
間違いではないが、何事も両面があり、程度が大事ということだろう。


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