投資

デルタ後のファクター、最重要の要因:ブリッジウォーター
2021年9月3日

ブリッジウォーター・アソシエイツのレベッカ・パターソン氏は、雇用統計やデルタ変異種への対処のしかたを提案し、投資の要所がどこにあるか話している。


「たとえ明日雇用統計が予想を超えるもので、数日資産買入れのテーパリングのタイミングについてさかんに報道されるにせよ、結局は1回の雇用統計でFRBが大きく前倒しにすることはないだろう。
FRBはあと数回、強い雇用統計を見たがるだろう。」

パターソン氏がYahoo Financeで2日、翌日に控えた米雇用統計のインプリケーションについて話している。
同氏は、FRBが最近「パラダイム・シフト」を遂げたと解説する。
過去のFRBは将来を予想し金融政策を変更したが、今は実績を見て対処するやり方となった。
つまり、もはやかつてのような「予防的な引き締め」はない。
さらに《高圧経済》を思い起こさせるように、経済が過熱するのを望んでいる。

雇用統計が重要イベントでないのなら、何に注目すべきなのか。
パターソン氏は、興味深い傾向を紹介している。

過去1年半程度、パンデミック以降、市場心理が経済成長に強気になろうが少し控えめになろうがS&P 500全体や米市場全体がそれほど大きく上下することはなかった。
市場の反応のほとんどは内部で起こっている。
つまり、シクリカルな産業、ディフェンシブな産業、テクノロジーのような有機的成長のある産業の間でローテーションをしている。

もちろん指数も上がってはいるが、経済成長に対する市場心理ほどには動いていないという指摘だ。
パターソン氏は

  • 好材料ならシクリカル
  • 弱めならディフェンシブ

と、至極当たり前の観察を述べている。
その上で、現在デルタ変異種の影響で不確実性が高まっていることから、バーベル・アプローチを紹介している。
バーベルの両側には

  • パンデミック悪化に備えテクノロジー
  • 改善に備えシクリカル、工業、銀行など

を考えればよいという。

ブリッジウォーターについては、苦戦のニュースも報じられている(Bloomberg)。
カリフォルニア州オレンジ郡の年金基金が、ブリッジウォーターが運用するピュア・アルファ・ファンドをウォッチ・リスト(投資見直しリスト)に載せる意向だという。
過去16年のリターンは年4.5%とベンチマークを2.5%下回るのだという。
ブリッジウォーターが同基金から預かる資産は1.75億ドル。
ブリッジウォーターの運用資産額は1,050億ドル。
小さな額ではあるが、これが他の投資家にも波及する可能性が囁かれている。

苦戦が伝えられるピュア・アルファとは、いわば山を張って投資のアルファを取りにいくファンドだ。
一方、ブリッジウォーターの看板といえば、やはりオールウェザーだろう。
こちらは、いわば徹底的なリスク分析と分散によって市場の荒波を乗り切っていこうというファンドだ。
ピュア・アルファの苦戦とは、ブリッジウォーターをしても山を張ることの難しさを示すものか。
もっとも、近年ピュア・アルファに限らずアクティブ・ファンド業界全体に強い逆風が吹いてきたのも事実だ。

最後にパターソン氏の山を聞いておこう。

私たちの考えは、経済成長ストーリーが自己強化していく、経済成長はかなり強い状態が継続するというものだ。・・・
全体的には、デルタ変異種による上げ下げの先では、シクリカルを増やすのがいいだろう。

パターソン氏は、強い経済成長が続くと予想する理由として、低い在庫水準、勢いが出始めた設備投資、強い家計・企業のバランスシートを挙げている。
ただし、同氏にとっては最大の関心事は経済成長の方ではないようだ。

成長は重要なストーリーだが、率直にいえば、今の投資家が注目すべきより大きなストーリーはインフレだ。・・・
インフレのリスクが大きく上方に偏っていると考えている。

パターソン氏は、ミクロの銘柄選びでも高インフレ継続の可能性を勘案するよう説いている。


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