
デニス・ガートマン:原油と株の相関を見誤るな
コモディティ王デニス・ガートマン氏が、原油と株にかかわる市場の錯覚を危ぶんでいる。
最近、原油価格と米株価が正の相関にあるとの感覚が定着しつつあった。
ガートマン氏は、原油価格と株価の相関について、市場が誤解を始めていると警告する。
「ウォール街で一般的に信じられているのは、『原油が上がれば株も上がる』というものだ。
しかし、それはナンセンスだ。」
過去5年で見ると原油は下がり株価は上がっているとガートマン氏はいう。
正相関ではなく逆相関だと主張する。
なるほど、5年で見ると、そう見えなくもない。
では1年半ならどうか。
直近、相関が崩れたようにも見えるが、それ以外では確かによく連動している。
ガートマン氏は、短期的な動きに目をとらわれることのリスクを説いているのである。
「もしも原油が35ドルまで下がれば、何かが経済に起こっていることになり、株価は下落する。
でも、原油が株価の重しになっているのではなく、経済活動が重しになってるんだ。」
つまり、原油価格と株価の関係は因果関係ではなく、他の経済的要因が原油と株に影響しているとの見方だ。