デニス・ガートマン:パウエル議長でイールドカーブ逆ざやに

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コモディティ王デニス・ガートマン氏が、次期FRB議長に指名されたジェローム・パウエルFRB理事についてコメントした。
パウエル氏はいい選択と評価しながらも、次期FRB議長の行く末は前途多難だと言う。



Fed faces big changes in coming months. Here’s what to expect from CNBC.

「危ないことなんて何もない。
とてもいい選択だ。」

ガートマン氏はCNBCでFRB議長人事について評価した。
意中の人(ケビン・ウォルシュやローレンス・リンジー)ではなかったとしながらも、パウエル氏指名を強く支持している。
ガートマン氏によれば、経済学でPhDを持っていないことが重要であり、プラスなのだという。

「パウエル氏はFRBの古い経済モデルに縛られていない。
このモデルは論理的でなく、過去数年まずしい結果に終わった。」

市場関係者の間には、FRBの経済モデル≒ロジックそのものについてのフラストレーションがたまっている。
イエレン議長の時代は、マクロ経済モデルの中で特にフィリップス曲線が重視された時代だ。
結果、イエレン議長のFRBは雇用・賃金・インフレがクローズ・アップされてきた。
ところが、雇用が完全雇用に近い水準まで改善しても、賃金・インフレの反応は思うほどではなかった。
ガートマン氏が言いたいのは、十分に機能していないフィリップス曲線の偏重を改め、他の関係式にも視野を広げるべきということだろう。


ガートマン氏はパウエル氏の指名を喜びながらも、行く末を案じている。
FF金利引き上げは予想されているより速く進むと予想するからだ。
これが市場・経済を冷やしかねないという。

来年末までにはオーバーナイトFF金利は75-100 bpではなく100-150 bp上昇するだろう。
そうなればイールド・カーブが逆ざや化する恐れがある。
これこそ私が最も恐れることで、これは長い間にわたって株価に悪影響を及ぼす。

パウエル氏は共和党員。
しかし、それでもパウエル氏なら金融政策を十分に緩やかに進めるとの期待感は大きい。
ガートマン氏はそこに異を唱えている。
仮に、その予想が当たり

  • FF金利引き上げペースが速まることでイールド・カーブが逆ざや化する
  • (イールド・カーブは順ざやでも)バランスシート正常化による長期金利上昇が想定より早まる

などが起これば経済・市場にとって朗報とはならない。

「そう遠くない将来、不況がやってきて、数年のうちに株価が弱含むだろう。
可哀そうなパウエル氏はその時ボールをつかまされ、理不尽に非難されることになる。」


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