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テール・リスクをヘッジせよ:ナシーム・ニコラス・タレブ
2020年4月27日

ブラック・スワン」の著書で有名なナシーム・ニコラス・タレブ氏が、コロナ・ショックについて語っている。


これはブラック・スワンじゃない。
ホワイト・スワンだ。

タレブ氏がCNBCで、新型コロナウィルスによる問題の本質を解説した。
同氏によればブラック・スワンとは「予想されない出来事が不意に起こること」だ。
コロナウィルスはこれに当たらないという。
予想されたことが、環境変化によって、少しハイスピードで起こっただけだという。

「まず、システムがこうした出来事を規則性をもって引き起こしている。
今日の問題は、拡散のスピードが速く効率的だ。
エールフランス、ブリティッシュエア、アメリカンが病気を広めるのを助け、さらに大きな会議もある。」

タレブ氏はマスクの着用を訴える。
マスクの着用は直接的効果だけでなく、2次的効果も考えると、感染のリスクを9割減らす可能性もあるという。

一方、投資については極めて慎重なスタンスを奨めた。

私たちは厳しい不可知に対処している。・・・
テール・リスクをヘッジすることなしに、いかなる形の投資をすることも賢明ではない。

米政府が進めるコロナ対策の企業支援については、受け取る側のモラルを問題視している。

「これに備えることなく自社株買いをしていた企業が納税者のお金から恩恵を受けるのはとても恥ずべきことだ。
たくさんボーナスを受け取ったCEOが、(過去のボーナスを)没収されることなく救済されるのもだ。」

救済策にともなう公平性、モラル・ハザードを重く見た主張だろう。
タレブ氏は、企業を盲目的に救済すべきではなく、救済するなら個々人を救うべきと主張する。
企業を救うことが従業員や社会を救うことになるとのロジックに異を唱えている。

飛行機を飛ばし続けるために航空会社を救うというが、そうじゃない。
救済は金融取引であって、飛行機は常に飛んでいるんだ。
異なる所有者の下で飛んでいるんだ。
いかなる救済も、それに対する罰なしには誤りだ。・・・
これは株主の問題なんだ。

救済すべきか、引き換えにペナルティを課すべきか、との議論を別にすれば、この話題でいつも引き合いに出される航空業界は気の毒だ。
彼らだって一番の被害者なのに。


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