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テーパートレマーは市場にとっていいこと:ジェレミー・シーゲル

ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授が、短期的に米国株が売られると予想しながらも、テーパータントラムになるよりよかったと楽観を続けている。


ブラード(セントルイス連銀)総裁が『インフレが予想よりはるかに過熱していた』と言ったのはとても興味深かった。
間違いなくそのとおりだ。

シーゲル教授がウォートン・ビジネス・ラジオで、15-16日のFOMCの結果を振り返った。
それまでインフレを一過性としていたFRBは、インフレ注視をアピールし、テーパリング検討の検討を表明した。
シーゲル教授が事前に予想したほどにはタカ派的ではなかったが、同じ方向性の変化が実現した。
特に、FOMC後のジェームズ・ブラード セントルイス連銀総裁の発言は、シーゲル教授と似た時間軸を想定するもので、金曜日の市場の反応は小さくなかった。

「10年債利回りは急騰し、そして戻った。
より短い年限では戻らなかった。
なぜこんな動きになったのか。」

シーゲル教授はFOMC後のイールドカーブの変化に注目し、市場のインフレ期待を解説している。
市場予想よりテーパリングが早まり、利上げが早まるなら、短期金利が上昇するのは理解できる。
しかし、長期金利はいったん上昇した後、再び極めて低いところまで戻したのだ。
これを教授は、長期債保有者のインフレ懸念が和らいだと解説している。

「FRBがただダラダラ(金融緩和を)続ければ、最後には問題となるだろう。
私が長い間言ってきたのは、FRB利上げがイールドカーブの長期側に与える影響は不透明ということだ。
FRB利上げが反インフレと捉えられれば、長期債は買われる可能性もある。」

シーゲル教授は、FRBの金融政策正常化スケジュールを予想している:
今後2か月半のうちにテーパリング公表。
6月・8月のFOMCとジャクソンホール会合でシグナルを出す。
夏の終わりまでにスケジュールを公表。
利上げ開始は2022年中。
いずれも、FOMC前、FOMC直後の市場予想より早い日程になっている。

シーゲル教授は短期的な市場見通しについて、いったん売られ、その後戻ると予想している。
理由として、経済再開ですでに大きく上げたセクターがあること、経済指標が今後少し軟化すると予想されることを挙げた。
「外為市場はFRBの引き締めを望んでいる」と指摘、そうなればドル高になると予想した。
それにともない、金、国際市場で流通する素材が弱くなると解説した。

シーゲル教授は、FOMC前に「テーパートレマー」が起こりうると話していた。
テーパータントラムほどひどくない《揺れ》を表現したものだ。
《永遠のブル》の言うことだからしかたないが、少し都合のいい話に聞こえる。
上がる時にはひどく景気よく話すのに、調整についてはとても小声になるように見える。
キャスターも、本当に揺れで済むのかと聞き直している。

ある人にこう聞かれた。
『シーゲル博士、テーパートレマーは大地震の序章なのですか、それともそれだけで終わるのですか?』
市場にとっていいことだと考えたらいい。
すべてのトレマー(揺れ)は断層の歪を解放してくれる。
突然サプライズで力が加わるよりいい。・・・
株式にとって悲惨なことにはならないし、経済を破壊したりもしないが、FRBはこれに対処しないといけない。

FOMC直前には、さざ波が株式市場に波及するとし「ふっふっふっ」と不気味に笑っていたシーゲル教授。
みんなが聞きたいのは(テーパータントラムとの比較における)相対的な話ではなく、絶対的な話の方だろう。
今回のFOMCは将来からタントラムの可能性を消し去ったのか、それとも先延ばししただけなのか。
先生、本当に「悲惨なことにはならない」んですね!?


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