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テーパートレマーが続く:ジェレミー・シーゲル
2021年6月26日

ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授は、基本的に強気相場を予想しつつも、市場がテーパリングを巡って動揺を続けると予想している。


(インフラ投資計画の合意を)市場は予想していなかったのだろう。
これはパート1にすぎず、後にパート2があり、財政調整措置が用いられるだろう。
そこでは増税が盛り込まれ、さらに支出があるだろう。

シーゲル教授がCNBCで、バイデン政権の財政刺激策について見通しを述べた。

バイデン大統領は24日、それまで協議してきたインフラ投資計画について、上院議員の超党派のグループと合意したと公表した。
8年間で1.2兆ドル(約130兆円)規模。
両党には合意に対して批判的な声も聞かれるが、一歩前進として同日の市場は上昇した。

市場はまだ上げと決めつつある。

シーゲル教授は、米国株市場のトレンドがまだ変わらず上昇トレンドであると見ている。

「私は、ジェローム・パウエルFRB議長が一時的インフレ期待といっているほどには楽天的ではないが、同時にこれ(インフレ)は株式にとって悪いことではない。
株式は実物資産だ。
債券にとっては悪いことだ。
財政支出と穏やかなインフレは株式にとって悪いことではない。」

シーゲル教授はFOMC前、市場がテーパリング観測を巡って「テーパートレマー」(テーパリングによる揺れ)を起こすと予想していた。
確かに、FOMCから2日後、市場はいったん揺れた。
教授は、こうしたことが今後も続くと見ている。

シーゲル教授は、今後の重要データとして来月13日の物価統計を挙げた。
過去のデータは将来の期待を形成する上で大きな影響を及ぼすためだ。
13日の統計次第では、FRBはさらにスケジュールを前倒しするだろうという。
8月のジャクソン・ホールを待たず、テーパリングを公表する可能性があるという。

市場にトレマーを起こすかもしれない。
みんなFRBの金融緩和が強気相場の唯一の原因と考えているからだ。
私は他にも市場が上昇する理由が多くあると思う。
でも、このトレマーはまだ全然終わっていない。

市場の動きは市場が決めることだ。
市場の考えが完全に正しいことはむしろ稀で、時間とともに正され、また間違っていく。
シーゲル教授は、市場がFRB金融政策正常化を重視しすぎていると話す。
現状のFRB政策の基本は、月1,200億ドルの債券買入れとゼロ金利政策だ。
教授は「強い経済・そこそこのインフレ経済において異常な刺激策」と指摘する。
シーゲル教授から見れば、FF金利が2%未満なら「異常な景気刺激」だという。
米(実質)潜在成長率を0%、期待インフレ率を2.3%と見ても、名目中立金利は2.3%と連想される。
2%を割るFF金利は十分に緩和的という計算になる。

過去5年との対比で見ると金融引き締めを恐れることになるが、金融政策の歴史と比べればとても緩和的であり、FRBは緩和的だ。
お金は株式市場に流入し続けると思う。

《永遠のブル》のこうしたレトリックにはさまざまな意見があろう。
市場に影響を及ぼすのは積分値だけとは限らない。
微分値も影響するのがむしろ普通だろう。
もしも今回もそうならば、やはり直近からの変化は大きな影響を及ぼすことになる。

シーゲル教授は、インフレを予想した上で株式以外にどのような主要資産クラスが推奨できるか、尋ねられている。
教授は、不動産やコモディティが急騰してきた点を指摘する。
コモディティについては近時下落も見られるが、それでもパンデミック前との比較では大きく上昇していると述べた。
シーゲル教授は、こうした動きが数年続くと話したが、明確に不動産やコモディティを推奨はしていないように見えた。

私はまだ株式を選好している。
配当利回りがインフレから守ってくれる。


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