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テーパータントラムのリスクは小さい:ウィリアム・ダドリー
2021年8月11日

ウィリアム・ダドリー元ニューヨーク連備総裁が、FRBによるテーパリングの開始が近づいているとして、大まかなスケジュールを予想している。


FOMC声明文を変えてきたところを見ると、明らかにFRBは(テーパリングに)近づいている。

ダドリー氏がBloombergで、FRBのテーパリング(資産買入れの縮小)が近づいていると予想した。
2018年までインサイダー中のインサイダーだった同氏の解釈だけに、かなりの信憑性が感じられる。
いつものようにダドリー氏は、今後の金融政策のマイルストーンを予想する。
今回は期間まで言及されている。

「あと数か月でFRBが公表することになるだろう。
その後おそらく1-2か月でテーパリングが実際に始まるだろう。
テーパリング完了にはおそらく8-10か月かかる。
その後、みんなFRBが短期金利をいつ引き上げるか心配し始めることになる。」

これを文字通り読むと、次のようなスケジュールになる:

テーパリング公表: 10-11月
テーパリング開始: 11月-来年1月
テーパリング完了: 来年7月-11月

ちなみに前回の金融正常化サイクルでは、テーパリング終了から利上げ開始まで約14か月あった。
さらに、この数十年で見ると、FRB利上げが終わる時、あるいはその後まで米国株は上昇する傾向がある。
つまり、過去のパターンが繰り返すなら、米国株市場のピークはまだ先のように見える。
これが、米市場で続く楽観の1つの根拠だ。

では、こうしたスケジュールが前倒しになる可能性はないのか。
1つの可能性は、雇用が考える以上に強い場合だ。

ダドリー氏は、現在、求人が多いのに失業率も高い点について、人々の行動がパンデミック前から恒久的に変化した可能性もあると指摘する。
ただし、その是非はまだ誰にも分らないとし、秋以降のデータが待たれるという。
失業給付の上乗せが終わり、学校が再開した後どうなるかが9月以降判明するからだ。
また、最近のデルタ変異種の感染拡大により7月のデータの意味合いが薄れ、感染拡大後のデータを見る必要があるという。

「完全雇用が早期に実現する可能性だってある。
その場合、FRBは、短期金利の引き上げを適時に行えるよう、早期にテーパリングを行わなければならなくなるかもしれない。」

こうした可能性を認めつつ、ダドリー氏は、2013年のようなテーパータントラムが今回も起こる可能性は小さいという。

今回は、みんなこれから起こることを知っており、タントラムになるリスクは小さいだろう。
まずテーパリング、次に短期金利の引き上げ、そしてFRBバランスシート縮小の開始だ。・・・
みんな、より落ち着いているし、FRBもテーパータントラムにならないよう、より慎重だ。


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