海外経済

テーパリングは怖くない:ウィリアム・ダドリー

ウィリアム・ダドリー元ニューヨーク連備総裁は、今後始まるテーパリング・サイクルでは前例が踏襲される可能性が高く、恐れる必要はないと書いている。


もちろん、このプロセスは自動操縦ではないだろう。・・・
しかし、今回は少なくともロードマップが存在する。

ダドリー氏がBloombergへの寄稿で、今回の金融政策正常化が前回ほどには波乱を生まないと主張した。
前回の正常化では、2013年にテーパータントラムが起こり、市場が大きく動揺することがあった。
しかし、その後落ち着きを取り戻し、正常化が進められた。
今回は、その前例と記憶があるため、より安心感があるプロセスになるという。
そのプロセスとは:

  1. テーパリング検討
  2. 実際のテーパリング
  3. 利上げ
  4. バランスシート縮小

(前回の時系列は「【グラフ】テーパリングと金利、株価、為替、金」を参照。)

以下、注目点。

  • テーパリング開始時期は「おそらく約6か月後」。
  • MBSのテーパリング先行はありそうにない。
    「前回のテーパリング・サイクルでは米国債・MBSを同時にテーパリングし、それが前例となっている。
    前例を崩すと、他でも前例どおりならないとの疑念を生みかねない。」
    MBSのテーパリングのペースを速めることはありうる。
  • テーパリングと同時に利上げする可能性はとても低い。
    市場の予想を裏切れば、フォワード・ガイダンスの効果を失ってしまう。

ダドリー氏の主たるメッセージは、テーパリングでも「怖気づくな」である。

ただし、そうした楽観論をそのまま受け取るわけにもいくまい。
投資家は2018年第4四半期に起こったことを忘れてはいけない。
突然、長期金利が上昇し、市場は大きく調整した。
当初は強気なスタンスを取っていたFRBも、金融政策正常化を頓挫させる結果となった。

FRBバランスシート(青、左)と実行FF金利(赤、右)
FRBバランスシート(青、左)と実行FF金利(赤、右)

2014年から金融政策を正常化したはずなのに、足元ではむしろ2013年より金融緩和が強化されている。
しかも、原因はパンデミックだけではない。
特にFRBバランスシートについていえば、テーパータントラム後に当時の規模まで戻ることはなかったのが実情だ。


-海外経済
-, ,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。