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テーパリングの条件は整った:モハメド・エラリアン

アリアンツ経済顧問のモハメド・エラリアン氏が9月の雇用統計を受けて、市場がFRBのテーパリングへの準備を済ませたと話している。


条件は満たされたと考えている。
雇用は、条件が充足しているように振舞っている。

エラリアン氏がBloombergで、11月2-3日のFOMCでテーパリング開始が決定されると予想した。

米労働者が8日発表した雇用統計は

  • 非農業部門雇用者数(前月比): 194千人(市場予想500千人)
  • 失業率: 4.8%(前月比0.4%ポイント改善)

雇用者数が予想を大きく下回ったことで、市場の一部にテーパリング先送りの観測が広まった。
これがインフレ圧力が増すとの連想を与え、米10年債利回りは小幅上昇、米国株の主要3指数はいずれも小幅に下落した。
下落幅は、金利への感応度の高いNASDAQで、最も大きい-0.51%だった。
ただし、-0.51%という下落幅は、長く続いている上げ相場から見ればそう大きなものとはいえず、誤差の範囲だろう。

エラリアン氏は、市場の反応を解説する。

「興味深いことに、FRBにとっての朗報は、市場が利上げをテーパリングと切り離して考えていることだ。
市場はFRBに対して『さあテーパリングしなさい。私たちはそう予想しているよ』と言っているんだ。」

エラリアン氏は、今後予想されるFRBの金融政策正常化サイクルに関して(相対的に)タカ派的な意見を述べ続けてきた。
インフレは一過性でないとし、テーパリングが遅れれば、インフレ高止まりを招きかねないと警告してきた。
そうなればFRBは急ブレーキを踏まざるをえず、結果スタグフレーションに発展しかねないという。
現状はまだテイル・リスクだが、政策ミスが重なればメイン・シナリオになってしまうという。
ただし、現状スタグフレーションはあくまでテール・リスクだ。

そもそも、テーパリングとは縮小という意味だ。
FRBによる資産買入れを縮小するという意味であり、その間、資産買入れは継続する。
毎月買い入れる額を減らしていくという営みだ。
つまり(ストック・ビューに立てば)テーパリングの間、金融緩和はまだ強化されていることになる。

エラリアン氏はCNNで、テーパリングに対する市場の反応を予想する。

「2013年のテーパータントラム、2018年の市場の不安定化のようなものに向かうとは考えていない。・・・
いくらか市場は不安定になるかもしれないが、劇的なものになるとは思わない。」

こう言いながらも、仮にテーパリングが遅れる場合には、上記のリスク・シナリオの確率が高まると話した。

エラリアン氏はBloombergで、リスク・シナリオ以外にも勘案すべき課題を話している。
それは、企業部門が十把一絡げには括れないという視点だ。

企業の中には価格決定力を持たない企業もある。・・・
経済全体で見れば価格決定力があっても、個々の経済主体によって状況は大きく異なる。・・・
分布が偏っていることを心配すべきだ。
単に経済に任せっきりにすれば、実現できるはずだったより低いところの平衡状態で落ち着いてしまう。


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