テスラCEO イーロン・マスク氏の止まない不品行

2018年8月、米証券取引委員会(SEC)と和解したのは何だったのか。
テスラCEOイーロン・マスク氏の信じられない行動が明らかになった。


きっかけとなったのは2月19日のツイートだ。
マスク氏はこのツイートで、テスラの今年の生産台数見通しを明らかにしている。
SECは、テスラにとって生産台数は極めて重要な指標だとして、このツイートが昨年8月の和解に違反すると主張。
マスク氏を法廷侮辱罪に問うよう求めている。

昨年8月の和解とは何だったか。

  • マスク氏が会長を退任し、後任に独立取締役をつける。
  • 2名の新たな独立取締役選任。
  • マスク氏のコミュニケーションを統制・監視するため、独立取締役による委員会設置。
  • マスク氏と会社にそれぞれ20百万ドルの罰金。

今回の問題はこの3点目にかかわるものだった。
Bloombergによれば、和解ではSECが具体的に「会社関連のツイートを事前承認する弁護士の指名もテスラに求めた」といい、実際「テスラは12月後半に弁護士1人を指名した」のだという。
では一体何が問題なのか。
記事ではSECの驚きを伝えている。


数カ月間にマスク氏がテスラに関して発した多数のツイートについて、事前承認を求めたものは1本もなかった。
・・・
裁判所命令を無視する行為は受け入れ難い。

事前承認を与える役割を与えられた弁護士は「ツイートをリアルタイムでモニター」するだけだったのだ。
つまり、この弁護士はマスク氏のツイートを見てはいたが、マスク氏は事前に承認を求めず、したがって事前承認も与えられなかったのである。
これでは和解内容を無視したと言われてもしかたない。
マスク氏個人はもちろん、そうした状況を看過したテスラにも再び罰が課される可能性が高い。

今回の事例で明らかなのは、マスク氏が自らルールを守ることができないこと。
そして、テスラという上場企業の組織にも目の前の裁判所命令違反を諫めることができないこと。

マスク氏は南ア出身の起業家で、南ア・米国・カナダの市民権を有しているとされる。
同氏が優れた起業家であることは疑いの余地がないが、国や市場の規範を逸脱していい理由にはならない。
「あぜんとさせられた」とのSECのコメントは、規範の無視に対する驚きと怒りを示すものだろう。

テスラ株ショートで有名なジム・チャノス氏は昨年、社会がシリコンバレーに対して甘すぎると指摘。
それがシリコンバレー等の企業の規律を緩めていると話している。
同氏は今後、企業不正の発覚が増えていくだろうと予想していた。


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