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テクノロジー株が強い本当のワケ:ジェレミー・シーゲル
2020年10月30日

ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授が、珍しくグロース株・テクノロジー株の強さの理由をアピールしている。


ブルー・ウェイブならば、民主党はインフラ支出が可能になり、その他の支出も何でも可能になる。・・・
刺激策の結果、債券利回りは上昇するだろう。
そこで、FRBはイールド・カーブを捻じれさせることができるだろうか?

シーゲル教授がウィズダムツリーのポッドキャストで、自身の描く米金利の先行きについて語っている。

蓋を開けて見ないとわからないものの、米大統領選について民主党優位と考える人が多くなった。
このポッドキャストでも、ほとんどが(民主党が大統領・上下院を総獲りする)「ブルー・ウェイブ」の話に費やされている。
シーゲル教授はコテコテの保守、共和党支持者であり、サプライ・サイダーだ。
民主党政権が悪化させると予想される財政赤字・債務拡大について心配している。

シーゲル教授が言及した「イールド・カーブを捻じれさせる」とはオペレーション・ツイストのことだ。
しかし、2011年にQE2の一環として行われたものではない。
1961-65年に最初に行われた方のことを指している。
当時、米国は不況で貿易赤字だったのに対し、欧州は不況ではなく、金利も相対的に高かった。
ブレトンウッズ体制(金本位制と固定為替レート)の下でこれが米国からの大量の金流出を招いた。
そこで採用されたのがオペレーション・ツイストだった。
当時のクロス・カレンシーの裁定取引が注目していたのが短期金利であったことを利用し、米短期金利を押し上げることでドルから金への兌換を防ごうとした。
一方で、米景気の刺激のために長期金利を押し下げる。

目的は違えど、こうした方法論が採られる可能性があるとシーゲル教授は想定している。
オペレーション・ツイストの有効性について教授はどう評価しているのか。

「FRBはイールド・カーブの長期側に対し、とても緩い制御力しか発揮できなかった。・・・
試してみるかもしれないが、長期金利がかなり上がった後のことになろう。
インフレとの戦いの一環として、同時に短期金利を引き上げるためになろう。
それが起こるのは相当経ってからのことになる。」

将来の長期金利上昇は経済にとっては脅威だ。
しかし、現在、市場がもっと脅威に感じているのが、バイデン候補が公約している各種の増税案だろう。
これについても《永遠のブル》はあまり心配しない。
民主党が上院を大差で獲らない限り、増税は急進的なものにはならないと考えるからだ。

おそらく法人増税はあるだろうが、(15%でなく)8-10%に近くなるのではないか。
市場はそれに耐えると思う。・・・
バイデンの増税案は資本市場にとっては良くないが、それが資本市場にとって大惨事になるとは思わない。
インフラ支出や経済刺激策は、増税の悪影響を打ち消すのに十分な流動性と刺激をもたらすだろう。」

現在がバブルとの議論については、シーゲル教授は、従前どおり、バリュエーションの観点から否定している。

利益との比較において、これらグロース株、あるいはテック株はあの頃(2000年のテック・バブル)ほど高騰していないし、まったく近くもない。・・・
AOL、JDSユニフェイス、EMCを覚えている?
PERが500倍だったんだ。

2000年のバブルとの比較において現在のバリュエーションが相対的に低いのはその通りだ。
ただし、だからといって今の相場が大きく崩れない保証はないだろう。

シーゲル教授が挙げたのはバリュエーションだけではない。
バリューの信奉者としては珍しいが、グロースの中身(事業内容)についても触れている。

インターネットの持つ規模の経済に目を見張るものがあることは議論の余地がない。
基本的に、製品をコストなく複製できてしまうんだ。
経済環境の見方において、このことがゲーム・チェンジャーになるんだ。

こうした議論は多少のアングルの違いこそあれ1999-2000年にも聞いたことがある。
ああ、懐かしい。


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