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グッゲンハイム スコット・マイナード テイパリングは市場予想よりもっと先:スコット・マイナード

グッゲンハイム・パートナーズのスコット・マイナード氏が、市場が予想するFRBのテイパリング時期について、現実にはもっと先になると予想した。


市場はテイパリングと利上げについて楽観的すぎる。
先日のBloombergでは、平均的な人、市場の平均的なプロは第4四半期までにテイパリングが始まると予想していると報じていた。
そうはならないだろう。
市場の予想は先回りしすぎている。

マイナード氏がBloombergで、市場が予想する金融政策正常化の時期が早すぎると指摘した。
同氏は、金融緩和が市場予想より長く続くと見る理由を2点挙げた:

  • 物価上昇は一過性
  • サービス労働者の復帰で賃金に下押し圧力

マイナード氏はしばしばコンセンサスと大きく異なる予想を述べることで知られる。
(もちろん、コンセンサスどおりの予想も多く、多くが的中する。)
コンセンサス外の予想もそこそこ当てるから注目を集める。
かつて債券王と称されたビル・グロス氏は引退時に、世が世ならマイナード氏が債券王にふさわしいと話した。
また、昨年マイナスの原油先物価格を的中させたのも記憶に新しい。

そのマイナード氏が月初に特徴ある予想を口にした。
政府の貨幣増発に対する意思と能力をもっと信じようという辛辣な皮肉だった。
その帰結として予想されるのは、長い目で見て株式・債券ともに上昇するというものだ。
長期で株価上昇を予想する人は少なくないが、長期で債券上昇(≒金利低下)を予想する人は極めて少ない。

今回もマイナード氏はFRBの意思と能力を信じている。

これ(物価・賃金の停滞)はFRBが現状維持にとどまる機会を多く与えるだろう。
賃金(上昇)は加速していないので様子を見ようとするはずだからだ。

 

マイナード氏は、キャピタルゲイン増税について質問されると、まず自身の立場を明らかにした。

「私は経済的な観点から発言する。
私はサプライサイド経済学の信奉者であり、すべての減税が良いとは思わない。」

節度ある伝統的保守派であると言いたいのだ。
あわせて、自分の意見が経済的観点によるものであり、政治的観点ではないと言いたいのだ。
「すべての減税が良いとは思わない」というマイナード氏だが、増税については少し話が違ってくるようだ。

「逆方向、富裕層への課税、キャピタルゲインに賃金所得と同率の課税をすること・・・
とても重要な点は、節税のインセンティブにより資本投資を促し、雇用創出・生活水準の向上を生み出すことだ。
このインセンティブを取り上げることは政策として狂気の沙汰だと思う。」

金持ちのお金を雇用や経済に役立つことに向かわせるために、税率を低くしておくべきとの議論だ。
一理あるとはいえ、少々奇妙でもある。
不労所得(厳しすぎるかもしれないが、大部分はそうだろう)への税率を労働所得に対するのと同じ水準まで引き上げることが「狂気の沙汰」なのだろうか。
税率を引き上げたら、金持ちは投資をやめるのだろうか。

マイナード氏の予想はこうだ。
全体の税率を引き上げ、地方税控除を復活させないなら、税負担の低い州(テキサス、フロリダ)へ人も企業も移転してしまうだろうという。

この議論は、タックスヘイブンの議論と似たところがある。
タックスヘイブンがあるから、減税しなければならないのか、タックスヘイブンをやめさせるべきなのか。
イエレン財務長官は今月のG20で、法人最低税率の導入を呼び掛けた。
程度の差こそあれ、これは国内にも、個人にも検討されるべき概念であろう。


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