ゼロ金利のトラクター・ビームに捕捉される:カイル・バス

ヘイマン・キャピタルのカイル・バス氏が、米国の日本化・欧州化を予想した。
米政策金利はゼロに逆戻りし、二度と(完全には)脱出できないだろうという。


私たちが皆学んだとおり、一たび経済がゼロ金利のトラクター・ビームにつかまってしまうと、ほとんど逃れるのが不可能になるんだ。

バス氏がFTに語った。
FRBはまだ小幅な利下げを匂わしただけだが、バス氏は結局ゼロ金利まで利下げが続くと読んでいる。
もっとも、米経済が景気後退入りすれば4-5%の利下げがなされるのが通例であり、ゼロ金利となる可能性は極めて高い。

スターウォーズやスタートレックのファンなら、主人公らが敵のトラクター・ビームに捕らえられ、そのまま虜にされるシーンを見たことがあるだろう。
バス氏は、ゼロ金利にもそうした抜け出せないトラップの働きがあると言っているのだ。
同氏は目新しいことを言っているのかもしれないが、もちろん私たち日本人にとっては何も新しいことではない。
バス氏の予想が正しいのなら、単純に米国が日本化・欧州化する可能性が高まったのだろう。


結局は米国も同じ道をたどることになろう。
・・・成長率の数字は低下し、実質成長率はゼロになるかもしれない。
おそらく米国は二度とゼロ金利から逃れることができないのだろう。

バス氏は、来年2020年半ばまでに米経済が景気後退に入ると予想している。
以前も財政刺激策が2020年に大きく落ち込むことを理由に挙げていた。
パウエルFRB議長が今月のFOMCでの利下げを示唆しても、バス氏の予想は動かないという。

かつて日本国債の暴落を予想したバス氏。
その時には暴落(=円金利急騰)は起こらなかった。
それでも、債券価格では儲からなかったが、円安によって良いリターンを上げたと吹いていた。
そして、今回は特段、米国債や米ドルをショートしているわけでもなさそうだ。
中央銀行が抑えにかかれば金利は簡単には上がらないということを学習したのだろう。

先進国市場が軒並み劣化しつつある中、マクロのヘッジ・ファンドがどういうポジションを組むのか。
これから面白いショーが始まるのかもしれない。


 - 海外経済