投資

スーパーバブル崩壊には新興国・日本:ジェレミー・グランサム
2022年1月21日

バブルの研究家として有名なGMOのジェレミー・グランサム氏は、米国株市場の50%下落が時間の問題だとし、投資先として新興国市場や日本のような割安な先進国のバリュー株を奨めている。


今日米国では過去100年で4度目のスーパーバブルが発生している。・・・
(過去)いずれのケースでも今サイクルで共通の特徴がすでに実現している。
・・・いつでも大混乱は始まりうる。

グランサム氏が自社サイトで、いつでも大暴落が起こりうると書いている。
同氏は、市場トレンドからの2シグマの乖離をバブルと定義し、3シグマをスーパーバブルと呼んでいる。
直後のBloomberg出演では、FRBが市場を支えようとしても50%下落は避けられないと語っている。

論文でグランサム氏は、中央銀行・政府に対し厳しく批判を浴びせている。
バブルを許容・助長する政策は「単純に悪い経済政策」と切って捨て、2つの見方を呈示する。

  • 「高値の資産は単純に安値のものより悪い。」(他の条件が同じなら利回りが悪いため。)
  • 資産価格上昇が格差拡大を引き起こす。

ところが、ポール・ボルカーがFRBを去った後、FRBはハト派的金融政策でバブルを繰り返し生み出してきたという。
2000年ドットコム・バブル、2007年住宅バブルから政策決定者は正しい教訓を学んでいないとグランサム氏は指摘する。

経済学のエスタブリッシュメントが2009年の瓦礫の山から学んだ唯一の『教訓』は、刺激策が十分でなかったということだったようだ。
まずその危機を防ぐべきだったことは学ばず、口にさえしなかった。
そのため、氷山を避けることより救命艇を増やす方に落ち着いてしまう。
そして、無能を許し忘れ、明らかな不正も罰することができなくなる。

現在の主要中銀と財政当局に対して向けられた批判だろう。
グランサム氏は辛口の論客だが、今回はそれがいっそう際立っているように感じられる。

グランサム氏は、今回のバブルがスーパーバブルの領域にある点に加え、その広がりにも危機感をあらわにする。

今回新しく、1980年代の日本と匹敵するのは、いくつかのバブルが一緒になっていることによる異常な危険だ。・・・
市場に悲観が戻ってくれば、認識された富の米史上最大の潜在的下落に直面するだろう。

グランサム氏は、不動産・株式・債券・コモディティなど主要資産でバブルが同時発生していると指摘し、弾けた時は痛手も深刻になると予想する。
何度も日本のバブル崩壊を引き、その傷がまだ癒えていない理由の1つにこの主要資産クラスでの同時バブルを挙げている。

グランサム氏は一昨年あたりからバブルの発生を指摘し始めた。
しかし、いつものとおり、その予想は早すぎることになる。
同氏はさっさと宣言し、ポジションを閉じるから、運用ポートフォリオはアンダーパフォームする。
嘘つき少年のように言われ、投資家は資金を引き揚げる。
それでもグランサム氏は我が道を行く。

「バブルでは、誰も弱気予想を聞きたがらない。」

グランサム氏は、「現バブルの投機家」が用心深い老人の諫言を聞くとは最初から思っていない。
なぜなら自分も若き日に老人の諫言を無視したためだ。
結果痛い目にあい、その経験がこの用心深い老人を作ったのだと述懐している。

グランサム氏は、スーパーバブル終期の特徴を3つ挙げている。

  • 熱狂: ミーム株、EV関連、暗号資産、NFT。
  • 価格上昇の最後に上昇スピードが2-3倍に上がる。
  • その後、相場の幅が狭くなり、投機的銘柄がアンダーパフォームし、優良株が買われる。

グランサム氏は、チェックリストはすべてチェック済みとして、守りのポジションを奨めている。

要すれば、米国株を避け、新興国市場といくつかの割安な先進国、特に日本のバリュー株に重点を置くべきだ。
個人的には、柔軟性を保つため現金、インフレからの守りに資源、少しの金・銀を選好している。

なお、暗号資産については「裸の王様」と呼び、信頼より回避を選択すると書いている。


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