スティグリッツ:金融政策正常化が暴く財政問題

ジョセフ・スティグリッツ教授が、マイナス金利からの金融政策正常化について危機感を示している。
過剰債務国では、予算編成が困難な事態に陥りかねないという。


「特に欧州にとって、いわゆる『より正常な金利』に戻すプロセスでは、いくつか極めて大きな難題に突き当たるだろう。
市場は、金利をより正常な水準に戻すのに何の問題もないと決めつけているようだ。」

スティグリッツ教授が市場の油断を心配しているとBloombergが伝えている。
とりわけ困難となるのがイタリアのような国。
莫大な政府債務を抱える国では、金利上昇とともに国の利払い負担が重くなる。
教授はこうした国が予算を組む上で「莫大な重荷」を負うことになると予想する。
ユーロ圏のさまざまな制限を考えると、それに対応するのは至難の業だと言う。
教授は以前から、さまざまな制限を回避するためにユーロ圏を分割すべきと唱えてきた。


金利上昇で財政が圧迫されるのは何も欧州だけではあるまい。
日米にしても政府財政に不安がないとはお世辞にも言えない。
市場金利がマイナスになっているところからプラスに戻すとなれば、ショックが大きくなるのもなおさらだ。
スティグリッツ教授は以前、日本にヘリコプター・マネーを含む債務リストラを提案している。

金融政策正常化と各国財政のリスクは極めて重大なテーマだ。
しかし、スティグリッツ教授によれば、それは現在最大のリスクではないのだという。
最大のリスクは、今月19日にデッド・ラインが迫る米債務上限問題だ。

「最大の政治的リスクは米国だ。
不確実性は世界経済にとってよくない。
政府閉鎖も不確実性の一つであり、おそらく市場にとって極めてよくないものだ。」

スティグリッツ教授は気候変動のリスクについても言及した。
今気候変動に取り組まなければ後でかえって大きなコストを支払うことになるのは、米国でのハリケーン・洪水等で明らかだと話している。
もちろん中にはコスト高になる企業もあるとしながら、将来のコストの節約だけでないメリットもあるはずと言う。

「ほとんどの企業は、余分なコストより大きな新たなチャンスを見つけることができるはずだ。」


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