スティグリッツ:日銀保有の国債を放棄せよ

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ジョセフ・スティグリッツ教授が経済財政諮問会議(議長、安倍首相)の特別講師として招かれ、14日の会合で講演を行った。
日銀保有の国債の債権放棄を勧めるなど、日本政府に事実上デフォルトを提案している。


問題はパイの大きさではなく切り分け方

「目的はGDP最大化ではない。」

スティグリッツ教授の講演はほぼ事前予想どおりの内容だった。
主に先進国で進む格差問題など、社会における分配が不十分なことから起こる諸問題が語られた。

「技術革新は、知的財産権と独占力の両面から、レントの拡大を生む。
そのレントを誰が享受するかは政策の問題だ。」

理想を共有しても現実は逆を行く

技術革新をもたらす重要な要素が資本であるとすれば、レントの配分を市場原理に任せている限り、富が富を生む構図にしかなりえない。
富を持つ者、その周りに群がる人たちにだけ恩恵が回ることになる。
「市場は、独力ではうまく変革することができない」から、政府が正しく誘導することが必要との考えだ。

人間の社会とは不思議なものだ。
世界で台頭しつつあるポピュリズムにしても、問題意識のスタートはスティグリッツ教授の考えと大きくは違わない。
ところが、そこから導かれる結論は真逆のものになる。
先進国で置いてきぼりにされた中間層は、もはや社会全体を支えられないと感じ、より弱い者を切り捨て始めたように見える。
スティグリッツ教授が分配の改善・強化を主張している時、中間層はより貧しい者への分配を縮小するよう主張している。


日本財政の再建案

日本での講演ということで、やはり注目されたのは財政問題だった。
スティグリッツ教授は従前どおり消費税増税には反対だ。
消費増税は財政赤字削減には逆効果との考えからだ。
増税で経済が悪化すれば、税収減になりかねないとの理由だろう。
では、財政問題にどう対応すればいいのか。
教授は3点を挙げる:

  1. 炭素税
  2. 日銀保有の国債を債券放棄
  3. 政府債務を永久債・長期債に再構成

(次ページ: 日本に事実上のデフォルトを提案)

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