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スタグフレーションが金をさらに押し上げる:ピーター・シフ
2020年1月3日

ユーロ・パシフィック・キャピタルのピーター・シフ氏が、金(ゴールド)は今後最良の投資対象の1つになると主張した。


金は(2019年)18%よりはるかに大きく上げてよかったんだ。

終末論者にして《ゴールド・バグ》のシフ氏が昨年末のロシア国営RT番組で、金価格上昇はまだ続くと強気の予想を述べた。
昨年ほぼすべての資産価格を押し上げた主因は、FRBの金融政策転換だった。
利上げとバランスシート縮小という金融引き締めから、利下げとバランスシート拡大という金融緩和への転換だ。
シフ氏は、早い段階からこのFRBの転換を予想していた。
(もっとも、危機到来と金融緩和回帰が同氏の決まり文句だから驚くことではない。)
金融緩和が金価格にとって追い風であるのは言うまでもない。

もっと上がるはずだったのに上がらなかったが、キャッチアップするだろう。
今後数年で、おそらく特に来年で言えば、金は、地球上でNo.1とまではいかなくても、最良のパフォーマンスの投資対象の1つになるだろう。

シフ氏の強気は、現在のドル高とも関係している。
2019年はドル高が継続した。
ドル建て金価格はドル相場といくらか逆の動きをする傾向がある。
しかし、2019年はドルが高止まりする中で金価格が上昇した。
シフ氏は従来からドル相場の下落を予想しているから、金価格には潤沢な上げ余地があるというシナリオになるようだ。
同氏は「天井破り」の上げを予想している。
(もっとも、ドル相場下落、金相場上昇もシフ氏の常套句だ。)

1970年代を思い出させる言い方は穏やかすぎるが、米国は新たなスタグフレーションの10年に入りつつあるか、入ろうとしている。
今回はもっと悪く、インフレ的な不況のようなものになる。
・・・(前世紀のように)「狂騒の20年代」にはならない。

米中摩擦が金価格に影響を及ぼすかと尋ねられると、シフ氏はたいして影響しないと答えている。
サイド・ストーリーによらず、金価格は上昇するとの予想だ。
そして、同様の動きはコモディティ全般で見られるだろうという。

「すべてのコモディティ価格が上昇するだろう。・・・
中国が米国からの農産品輸入をやめれば特に、農産品コモディティが注目の的になる。」

シフ氏は、スタグフレーションに近づくにつれ、ドル安が始まり、長期金利が上昇すると予想する。
これが外国人投資家のドル建て債務への投資意欲を減退させるという。

「消費者物価が上昇し金利が上昇すれば、経済にはマイナスだが、金にはプラスだ。
FRBは経済を救おうとして、量的緩和をさらに拡大するだろうからだ。
これらすべてのことがインフレの炎を燃え上がらせるだろう。
だから、私は2020年だけでなく今後10年を通して金が大きく上昇すると考えている。」

シフ氏は、今後10年が、金のパフォーマンスがとても良好だった2001-10年より実り多い10年になると話した。

シフ氏の話にはしばしば興味深いナラティブがいくつか含まれている。
一方で、タイミングと程度という面では相当に割り引いて聞いておく方がよい。
10年に1度、大当たりを出すタイプの予想者である。


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