政治

スタグフレーションがかなり近づいている:ローレンス・サマーズ
2021年9月27日

ローレンス・サマーズ元財務長官が中国 恒大集団の債務問題、9月のFOMCの結果についてコメントしている。


恒大の債務は今回のニュースの前に1ドルあたり25セントで売られていた。
つまり、多くの人は問題を知っていたんだ。

サマーズ氏がBloombergで、恒大集団の債務問題が市場にとって新たな材料ではなかったと話した。

こうした指摘は20日に米市場が下げた時にも多く聞かれた。
たとえば、それまで上がりすぎていたからこれをきっかけに少し調整した、といった見方だ。
そうした声が大きかったこともあり、米市場はその後持ち直しの様子を見せている。

サマーズ氏は、今回の債務問題をリーマン・モーメントのようなものではないと話す。
次々と伝播し、中国の金融市場を崩壊させる心配は今のところないという。
一方で、すべて大丈夫と考えるわけではない。
むしろ、今回の債務問題はより構造的な問題をはらんでいるという。

システミックな金融崩壊になるとは思わないが、不動産を基礎とした中国の成長モデルに大きな歪みを与えるだろう。・・・
これまで不動産に依存してきた中国経済の成長をはるかに難しくするだろう。
これは原因ではなく兆候だが、この兆候はかなり深刻なものだ。

サマーズ氏の見解は、今回の問題は大きなシステミック・リスクではないが、中国経済にとって深刻な構造問題であるというものだ。
それでも、キャスターはシステミック・リスクの方が気になったようだ。
リスクの伝播の可能性について尋ね直している。

「不動産の問題が1つの金融機関だけの問題にとどまることはほぼないと考えている。
みんな用心すべきだろう。」

サマーズ氏の答は至極常識的なものだった。
ただし、中国の先行きについて確たる予想ができる人はいないとも言い添えている。

21-22日のFOMCの結果について尋ねられると、サマーズ氏は、FRBがテーパリングに向け前進した点を喜んだ。
ただし、同氏の(おそらくインフレに対する)切迫感はもっと切実だったようだ。

「より積極的、もう少し速くテーパリングすると言えば、もっと良かった。
彼らが何を待っているのかわからない。」

様々な不確実性の存在を認めつつも、待つべきでないという考えのようだ。
サマーズ氏は、米経済にインフレ圧力が残り、供給制約が成長の重しとなることが心配されるとして、「今後しばらく少しスタグフレーション的な状況になる」と予想した。
1970年代のような過酷なスタグフレーションではないが、「インフレと経済成長の同時悪化」が「かなり近づいている」という。
サマーズ氏は、スタグフレーションにより中央銀行が無力化されることを心配している。

そうした時期は常に金融政策にとって最も困難な時期となる。
FRBは数か月後に試練を迎えることになろう。

景気後退期には金融刺激策が望まれるが、スタグフレーション下ではインフレ悪化への懸念から金融緩和を実施するのが難しくなる。
景気後退とインフレ昂進のトレードオフにより、金融政策に期待することができなくなってしまう。


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