ジム・ロジャーズ:プラザ合意の再現はない

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冒険投資家ジム・ロジャーズ氏がMACRO Voiceのインタビューで、プラザ合意の再現はないと予想した。
従来から主張している米ドル・バブル・シナリオについて語ったもの。


「ドルは保有を続けている。
運よく調整しているところだ。
すべての強気相場は調整が必要であり、調整はいいことだ。
持っているドルを売ってはいないし、買い増すかもしれない。」

最近の多くのインタビューでも、ロジャーズ氏の目下のお気に入りは米ドルとロシアだ。
米ドル選好の理由は、有事のドル買いを見込んだもの。
世界で様々な政治的・地政学的・経済的な不安材料が持ち上がるたびにドルが買われる展開が繰り返されている。

「米ドルは、いわゆる『安全資産』とされる。
本当は安全資産ではないが、そう考えられている。
ユーロなど諸外国の通貨に比べれば安全と思われている。」

自ら「カッコつきの安全資産」と言うように、ロジャーズ氏はドルが安全とは考えていない。
財政の悪化に加えてFRBの量的緩和が米経済を不安定なものにしているとの認識があるのだ。
それでもロジャーズ氏が米ドルを買っているのは、消去法の結果である。

「(米国の)ファンダメンタルズは悪化する一方だが、ロシアを除いて諸外国のファンダメンタルズも悪化している。
だから、わたしはドルを持ち続けている。」

米経済が悪化しているのかどうかは議論があろうが、ロジャーズ氏には潜在的な要因まで含めてそう見えているようだ。
「プラザ合意2.0」のようなドル安誘導策の可能性について見解を求められ、ロジャーズ氏は「何が起こってもおかしくない」としながらも別のシナリオを語っている。

「今回についてはプラザ合意のような形になるとは考えていない。
自ら望んでただただドル高が続くのではないか。」

米大統領選挙後のドル高は、トランプ大統領の掲げた政策から自然に導き出される方向性だ。
しかし、大統領をはじめ多くの経営者やエコノミストが、ドル高を米経済への脅威と考えている。
この矛盾はどう解消されるのだろうか。

「ドル高が行きすぎると、ドル建てで大金を借りている人たちが深刻な信用問題を引き起こす。
また、米企業の多くが(国際)競争力を失う。
そうなると、バブルになる。」

ロジャーズ氏は、現在のドル相場をバブルとは考えていない。
今後さらにドル高が続く中で、米経済が疲弊した時、それがバブルだというのだ。
そうなれば、いつか市場の力がドルを下げ戻すことになるという。

「みんな『これは混乱、世界経済の問題、米経済のダメージをもたらす』と気づく。
賢い投資家はそこで米ドル売るだろう。
自分もその一人になりたいと思う。」