ジム・ロジャーズ:キャッシュが消滅するリスク

ジム・ロジャーズ氏が、次に起こりうる危機への備え方について話している。
それぞれの投資家にとって適切な通貨を現金等価物で保有することを奨めている。


「リーマンショックのような状態にはまだならない。
リーマンショックが起きたときは、すべては終わっていた。」

ロジャーズ氏が東洋経済インタビューで話した。
かねてから「人生最大の危機の到来」を予想してきた同氏だが、本当に悲惨な状況まではまだ時間があると話した。
では、時間的猶予はどれだけ残されているのだろう。

リーマンショックにつながるさまざまな問題は、その1年以上前に始まっていた。
弱気相場への移行が始まっていて、リーマンショックが起きたときには、すでに皆それに気が付いていた。
今は、まだその状態に達していない。

リーマン危機前後のS&P 500指数
リーマン危機前後のS&P 500指数


サブプライム/リーマン危機がいつ始まったかについてはさまざまな意見があろうが、仮に2007年6月のベアスターンズによる傘下ヘッジファンドへの資本注入からとしても、リーマン・ブラザーズが破産法の適用を申請するまでまだ1年以上あった。
とは言え、米市場が2007年にピークアウトしているのも事実。
なぜ、ロジャーズ氏は2段階論をとったのか。
もしかするとロジャーズ氏の脳裏では、まだ最後のひと上げの確率がゼロにはなっていないのかもしれない。

一方、債券については間違いなくバブルであると断言し、避けるよう話している。

「原則今は投資すべきではない。
世界中、どこの国の債券でもだ。」

危機到来を予想している中、米債・金・現金のいずれを安全資産として選好するかについては次の順序を答えている。

1) 現金
2) 金: 1,000ドル割れなら買い増す
3) 債券: 要らない

ただし、現金ならなんでもいいわけではないとも付け加えた。
アイスランド危機を引き、通貨の価値も暴落することがありうると話した。

「間違えば、キャッシュだって消滅するリスクがある。
私はアメリカドルをそれなりに持っているけれど、それはアメリカドルが今の私にとって適切なキャッシュだと思っているからだ。」

シンガポール在住のロジャーズ氏が米ドルを好むのにはいくつか理由があるのだろう。

  • 米ドルがシンガポールを含む多くの国で使用できる通貨であること。
  • 次の危機では安全資産として米ドルへの殺到が起こり、その次に金が上昇すると予想していること。

一方、ロジャーズ氏は、長期的には米ドルの凋落を予想している。


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