ジム・ロジャーズ告発の真相

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昨年ジム・ロジャーズ氏が米国の北朝鮮制裁法違反で告発された顛末が明らかになった。
核心の現場に立ち会ったThe New York Timesが報じたものだが、その真相がどこかの首相のスキャンダルによく似ているのだ。


「私は間違いなくあなた方に言った。
絶対、絶対、絶対だめだ。」

昨年10月NY Timesの記者を待たせ、ロジャーズ氏は香港に抗議の電話をかけた。

ロジャーズ氏が告発されたのは香港Unaforte Limitedへの投資。
同社は北朝鮮で鉱山に出資し、宝石工場を運営しているという。
これが、北朝鮮への制裁を実施する米国の法律に反しているというものだった。
ところが、この「投資」の内容がなんとも気の毒なものだった。

ロジャーズ氏はUnaforteとの関係はさほど親密ではないという。
中国本土で同社が主催した投資家向けイベントに呼ばれ、講演を行った程度だという。
その際、ロジャーズ氏は同社に「善意の印」として100ドルを渡した。
ロジャーズ氏はその100ドルを出資とは考えていなかったというが、これが軽率だったのだ。


Unaforteの創業者Zhao Chunhui氏の理解は異なっていた。
中国のSNSにアップロードされた金集めのための投資家向け資料には、ロジャーズ氏を「中国におけるビジネス・パートナー」と書いていた。
ロジャーズ氏が講演したイベントで宣伝されたファンドは、ロジャーズ氏を株主と公言していた。
Unaforteの公的提出書類でもロジャーズ氏を株主と記載していた。

昨年10月、NY Timesはこの点をロジャーズ氏にぶつけている。
すると、ロジャーズ氏はインタビューを中断し、Unaforteに抗議の電話をした。
ロジャーズ氏は100ドルを渡した時に株主にはなれないことを念押しした点を電話で確認していたという。

現在Unaforteは公的提出書類にロジャーズ氏の名を記載していない。
NY Timesは、ロジャーズ氏が100ドルを渡した時点では、アメリカ人による北朝鮮関連事業への投資が違法ではなかったとの専門家の見解を紹介している。

サービス精神旺盛なロジャーズ氏が陥った罠ということだろう。
これも有名税か。
よく相手を見てとしか言いようがないが、それにも限界がある。

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