ジム・チャノス:ファスト・フードをショートするワケ

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息の長い空売りで有名なKynikos AssociatesのJim Chanos氏がファスト・フードをショートしている。
ウォール街が好むフランチャイズ・モデルに疑問を持っているからだという。


みんなアセット・ライトな事業モデル(資産をなるべく持たないモデル)に高い株価倍率を許容する。
問題は、結局のところ店舗が回らなければいけないんだ。

チャノス氏はCNBCで、ファスト・フードのフランチャイズ・ビジネスの株価が買われすぎていると主張している。
この事業モデルはフランチャイザーに有利なようにできており、それがチェーン全体の成長を止めてしまうという。
フランチャイザーが業績を拡大するには3つの方法がある:

  • 店舗数拡大
  • 既存店売上の増加
  • ロイヤリティ料率引き上げ

もちろん前2つが進めば問題はない。
ただし、アセット・ライトの場合、自前での新店開店は限定的になるだろう。
問題は3つ目だ。

「これは少しゼロサム・ゲームになっており、ウォール街はフランチャイザーの方に高い株価倍率をつけている。
誰ももはやレストランを所有したがらない。
ある種問題でありパラドックスだ。」


既存店売上を増やせるならそれが王道だが、それにも自ずと限界がある。
フランチャイザーは自社で店舗を持ちたくない。
店舗という資産を持つのではなく、フランチャイジーから高いロイヤリティを徴収した方がおいしいからだ。
店舗を誰かに所有させなければいけないが、誰もそんな店舗を所有したくはないだろう。

チャノス氏はRestaurant Brands International(QSR)とCarrols Restaurant Group(TAST)を実例として挙げる。
QSRはバーガーキング等の有力チェーンを持つフランチャイザーで、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイが大株主であることでも有名だ。
TASTはそのフランチャイジーで、上場企業である。
この2社の業績を比べれば現状は明らかなのだという。
第3四半期の営業利益率はQSRが39.6%なのに対し、TASTはわずか3.0%だ。
さらに資産を持つTASTは金融費用も負担するから、ボトム・ラインはさらに細ってしまう。
チャノス氏は、店舗が栄えないフランチャイズ制度は直に問題が顕在化すると予想している。

Kynikosはマクドナルドとシェイク・シャック以外のハンバーガー・チェーンをショートしている。
この2社を除外するのは

  • マクドナルドはまだ業界の方向性を決める力を持っている
  • シェイク・シャックは他のチェーンと事業領域をずらしている

ためだという。


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