ジム・オニール

 

ジム・オニール:3つの好材料と2つの心配事

BRICsの生みの親Jim O’Neill氏が、今年から数年の世界経済について強気の見通しを維持した。
ただし、今回の場合は2つほど読みにくい条件がついている。


「1年後の今、私の世界金融市場での30年間に及ぶ経験が教えるのは、経済状況がさほど単純でないと言うことだ。」

強気予想を常とするオニール氏がProject Syndicateで、やや慎重な経済見通しを書いている。
1年前オニール氏は重視する6つの経済指標を示し、当時としてはかなり強気な2017年を予想し、それを実現させた。
2018年はと言うと、強気を維持しながらも順風満帆とはいかないようなのだ。

オニール氏は、2018年の世界のGDP成長率を4%以上と予想、今後数か月のうちにセル・サイドの予想者が上方修正を行うだろうと書いている。
その根拠として次の点を挙げた:

  • 重視する6つの指標、特に世界貿易を示す韓国の貿易統計が良好
  • 各国のPMIがこの数年で最高
  • 中国のサービス・国内消費の長期成長率など主要指標も良好

こうした予想にも関わらず、今年は懸念事項もあるとオニール氏は指摘する。
それは、ベテランらしい経験則から導かれるものだ。
今年は去年と様変わりして、あまりにもみんなが強気、楽観、確信を抱いているのだ。
昨年の懸念事項は顕在化しなかったが、去ったわけではないとし、2つの心配事を説明する。


もしも成長が加速し続けるなら、米FRBは市場予想以上に利上げを行うだろう。
そして、他の主要中央銀行、特に中国人民銀、ECB、日銀は例外的な金融緩和政策を反転させてしまうかもしれない。

もちろん、本当に経済が強いなら、金融引き締めも跳ね返すかもしれない。
物価目標の達成を待つより早期に引き締める方が得策だろう。
しかし、オニール氏にも読み切れない要因が存在する。
主要中央銀行が10年間にわたる金融緩和を行い、すでに経済も長く(9年)拡大を続けているのだ。

「最後の日に、金利上昇が何をもたらすのかは誰も本当のところわからない。」

オニール氏は、生産性が向上すれば金融引き締めの負の効果を打ち消しうると指摘するが、それも「勘」の領域を出ないと言う。
そして、同氏のもう一つの心配事は、地政学リスク等に対する世間の「忘れっぽさ」だ。

「少なくとも金融投資家にとっては、全員が全部を心配する方が、少数の人が他の人の分まで心配するよりいいというのが私の長年の信念だ。」


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