ジム・オニール

 

ジム・オニール:なんで通貨である必要があるのか

英財務次官も務めたジム・オニール氏がダボス会議やビットコインについて語った。
BRICsというかつての投資フロンティアを支えたオニール氏も、仮想通貨には疑問を禁じえないようだ。


「私がダボス会議について言える唯一の役立つことは、それが地球上で最もすぐれた逆指標の1つであると言うことだ。」

オニール氏がBloombergで放った一言が、一気に番組の雰囲気を凍らせた。
自己愛の強いエスタブリッシュメントの思い出作りの場と揶揄されることの多いダボス会議。
あるいは、マスメディアがマッチ・ポンプ方式でネタを生み出す場とも言われる。
ここで各国・各界のリーダーが話すことに何か現実的な意味があるなら、世界はもっとよくなっているはずだとの指摘はもっともなことだ。
オニール氏は、こうした井戸端会議にはなんの興味も抱いていないようだ。

仮想通貨にレバレッジ?

オニール氏はこの数か月、仮想通貨について子どもやその同世代から投資してもいいか尋ねられることが多いのだと言う。
そうした時は4つの答を繰り返すようにしているらしい。


  1. 正気を失わなければ投資できない。
  2. もしも80%下げれば買ってもいいかもしれない。
  3. みんなが尋ねてくるところを見ると、もうチャンスを逃したというサインかもしれない。
  4. ペイパルと比べて何が優れているのか。

特に4の疑問は深刻だ。
仮想通貨の多くは、大きく市場価格が変動するゆえに通貨の3機能:

  • 価値の交換
  • 価値の尺度
  • 価値の保存

を果たせない状態になっている。
現在果たしている機能は投機的欲求の受け皿とICOという集金手段の提供でしかない。

「価値の交換手段としての仮想通貨の働きとは本当のところ何なのか。
なんで通貨である必要があるのか。」

オニール氏は、仮想通貨の市場にレバレッジが加わることを懸念している。

「(お金を借りて投資する)段階まで達すれば、明らかに心配すべきバブルだ。
大きなレバレッジで(市場参加者が)参加する最悪のバブルだ。
ビットコイン等仮想通貨がそこに至るとは考えていない。」

仮想通貨自体で貸借が広まる可能性は現状小さいだろう。
価値の尺度・価値の保存に資さない限り、それによる貸し借りが大きく広まる心配は小さい。
しかし、デリバティブによるレバレッジはどうだろう。
昨月のCME・CBOEでのビットコイン先物上場は、ビットコインという資産クラスのレバレッジを高めた可能性がある。

オニール氏は最後に、多くの伝統的市場の参加者が抱く思いを代弁する。

「自分のお金であれば損しようが儲けようがかまわない。
しかし、金融システムに大きなレバレッジを与えるものなら、当局は許すべきでない。」


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