ジェレミー・シーゲル:多難な2018年

ウォートンの魔術師 ジェレミー・シーゲル教授が「弱気ではない」と断りながらも多難な2018年を予想した。
米国株は調整を迎え、投資家が株式から短期債・預金に戻って来る可能性に言及した。


「今年はタフな年になると思う。
長い間なかった10%の調整が起こるだろう。」

昨年末の税制改革法案成立まで米株高を当て続けてきたシーゲル教授だが、年初のBloomberg番組では慎重な物言いに終始している。
教授は従前から減税法案成立で材料出尽くしとなる可能性を指摘し、その後は大きな材料が出てこないと予想していた。
財源が一部ともなわない減税となるため、もう一つ期待されてきた財政政策、大規模インフラ支出は実現しないだろうとの読みだった。

「(2018年の)市場は横ばいか10%上昇で年末を迎えるのではないか。
最大の難関は金利上昇だ。」


FRBが金融政策正常化を進めているといっても、いまだ金融は緩和的な状況だ。
そこに税制改革という名の減税、つまり財政政策が打たれた。
これは短期的に経済をさらに熱する。
シーゲル教授は雇用統計が好調を維持していることを挙げ、賃金上昇がインフレを押し上げる可能性を心配する。
仮にそうなれば名目金利がインフレ上昇分だけ上昇するだけでなく、FRBに利上げ圧力さえ及ぼすだろう。
こうした可能性に心配を寄せ、慎重な物言いに徹しながらも、シーゲル教授は「決して弱気ではない」と主張する。

シーゲル教授は、2018年が米政治の風景も大きく変えると予想する。
トランプ政権+共和党の人気は下がることはあっても上がることはない。
中間選挙で世論調査どおり民主党勝利となれば、共和党は民主党の協力なくして法案を通せなくなるだろうという。
教授は米政治が大きく反転し、それが市場のボラティリティを押し上げるかもしれないと考えている。

シーゲル教授は、FRBの利上げがやはり大きな要因になると話す。
人々は利上げをリスク資産の危機と捉えるだけでなく、短期債・預金の復活ととらえるかもしれない。
短期金利が8-9年ぶりに配当利回りを上回った点を紹介し、投資家が株式投資を急がなくなる可能性を指摘した。

「『FRBは年末までに短期金利が3%近くまで上がると言っている』として、それまで現金で持っておく人もいるだろう。
だから2018年はそう簡単ではないんだ。」


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