永遠のブル ジェレミー・シーゲル教授が、悪化の兆しの見える経済データに戸惑いながらも、いつもの強気スタンスを継続している。
これは金利低下へのワンツーパンチだ。
シーゲル教授がウォートン・ビジネス・ラジオで、先週の米イールドカーブの低下についてコメントした。
1発目のパンチは、パウエルFRB議長が「両面のリスク」に言及し、それでもインフレ側に警戒を続けていると話した点だ。
2発目は、金曜日の(悲惨ではないものの)弱い雇用統計だ。
シーゲル教授は、弱い雇用統計によって12月の利上げがなくなったと分析している。
データが信じられないくらい変化している。
インフレの方は、そんなに高くならなくとも粘着的だろうが、経済の弱さがそれに勝つだろう。
経済データが悪化しているのに株価が上昇している点については、シーゲル教授は、金利低下の影響の方が勝ったためと説明した。
もっとも、米経済・市場サイクルでは、FRB利上げが終了してからまだ株価は上昇することが多い。
金利上昇の恐怖が薄れると、株式市場の楽観主義が息を吹き返すのだろう。
「FRBが利下げを検討せざるをえない時点がやってきている。
選挙の年になるし、失業率上昇でプレッシャーが高まるだろう。」
シーゲル教授はこれまで、金利は上昇しているものの、経済が強いためであり、株式はまだ上がると話してきた。
ここで、金利低下とともに弱い経済データが出始めている。
10年の物価連動債利回りは2.5%から2.1%に低下し、教授は「債券市場のピークに対するマインドを変えるような変化」と表現している。
シーゲル教授のこれまでのロジックを借りるなら、これは、株式に巻き戻しが起こるということではないのか。
いや、永遠のブルはそんなにヤワではない。
「私は景気後退は予想しない。
鈍化を予想している。
そして、市場は鈍化を織り込んでいると思う。」
シーゲル教授はこの日、明らかにいつもより元気がなく、言葉も少しよどみがちだった。
少々お疲れだったようだが、それだけだろうか。
それでも、いつものとおり力強く強気予想を語っている。
私はまだ株式にとても強気だ。
代わりとなる投資先にプレッシャーがかかっているためだ。
みんな、状況が同じ方向に動いたら、金利が低下するか、考えてみないといけない。
永遠のブルは、自身の状況認識を端的に語っている。
それはまた、米市場のサイクル終期に起こる《最後のひと上げ》を引き起こすロジックそのもののように見える。
イエス、スローダウン!
FRB(利上げ)が終わったという意味で歓迎だ。