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ジェレミー・シーゲル教授のまだ強気な2022年米国株市場予想
2021年12月30日

ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授は、パンデミックがもたらした経済・労働市場の変化がすべて元に戻ることはないとし、FRB利上げが極めて急ピッチになると予想している。


私は、FRBが大きく出遅れていると考えている。
長い間言ってきたことだが、FRBは現在までにテーパリングを終えて利上げを始めておくべきだった。・・・
FRBはもっと(引き締めに)積極的にならないといけない。

シーゲル教授がウォートン・ビジネス・デイリーのインタビューで、足元の高インフレがしばらく続くとし、FRBはもっと早く対処すべきだったと批判した。
教授は高インフレの到来を昨年の早い段階から予想し、その後FRBが異例の金融緩和・信用緩和を巻き戻すべきと主張してきた。
これまでのところ、このミルトン・フリードマン門下生の予想は当たってきている。

シーゲル教授がインフレ高止まりを予想するのはマネーサプライが増大しているためだ。
しかも、それだけでなく労働市場にもインフレ要因が居座っている。

「行動的で(転職で)動き回る人たちは10、15、20%賃金が上がっている。
今負けているのは、1月に3%の賃上げとなったホワイトカラーだ。
今インフレが6%で、3%も負けている。
彼らは来月1月は黙っていないだろう。・・・
今後数か月は労働市場で大きな衝撃が走るだろう。」

シーゲル教授は、経済が2019年に戻ることはないという。
恒久的なショックが経済・労働市場に加わり、そこで起こった変化の一部しかパンデミック前に戻ることはないという。
「世界は変わったんだ」が、教授の結論だ。

だから、シーゲル教授は、来年以降予想されるFRB利上げについて、市場予想や前回の利上げサイクルとは異なるペースになると予想する。
前回は年4回、1回あたり25 bpといったペースだった。

実効FF金利
実効FF金利

「利上げは(1回あたり)50 bpになるかもしれない。
インフレは6-7%へ上昇しつつあり、よちよち歩きでは役に立たない。
おそらく短期金利は4-5%まで引き上げなければいけなくなる。
それを数年のうちにやらないといけない。
今のように金利がインフレよりはるかに低いままだと、みんな借金してモノを買おうとするだけだ。」

シーゲル教授の予想は、世間の予想の中では最も速い最も大幅な利上げ予想の部類に入る。
しかし、それは前々回以前なみを予想しているに過ぎない。
仮にインフレが当初のFRBの予想どおり速やかに2%まで低下したとしても、FF金利が2%未満なら実質FF金利はマイナス。
米経済の潜在成長率が下がっているとしても、さすがにマイナスの実質FF金利は景気刺激的だろうし、インフレを助長すると考えるのも常識的な話だ。

シーゲル教授はこのインタビューでも2022年の米国株市場の予想を求められている。
教授は、FRBの金融政策正常化もあり、今年ほどよくないとしつつ、それでも上昇を予想している。

  • S&P 500: 2022年末に向けて5,000へ。
  • ダウ平均: 40,000とは言わないが、まだ数千ポイント上げる。

シーゲル教授は、インフレ時に実物資産(含む株式)が好まれることを挙げたほか、米市場のバリュエーションも理由に挙げている。

市場の長期トレンドはまだ常に好ましい方向を向いている。
市場が安いとは思わないが、激しく割高とも思わない。
すべての銘柄ではないが、市場全体、S&P 500は経済環境を考えれば合理的な価格だと思う。


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