《永遠のブル》ジェレミー・シーゲル教授が、執拗で上手なCNBCキャスターの質問に根負けし、近年で最も重要な内心を吐露している。
「株式は来年の利益予想の17倍の水準だ。
テック株を除くと14-15倍、小型株なら11倍。」
シーゲル教授がCNBCで米国株に強気な理由を3つ述べた。
シーゲル教授が1つ目に挙げたのがバリュエーションの低さ。
現水準は歴史的に見ても低いという。
2つ目に挙げたのは、対抗馬である債券の利回りの上昇要因だ。
教授はこの理由を利上げだけでなく上向いた経済成長にあると指摘。
これが株式に有利だという。
余談になるが、経済成長が上向いたために株式にプラスという議論には一部ウソがある。
DCFを思い浮かべればいいが、経済成長が上向く分だけ将来のキャッシュフロー成長が上向く場合でも、これは現在価値に対して中立だ。
しかも、ある一時の明るいニュースで無限期間の成長率・利益成長率が足元の金利と同じ振れ幅で変化するとは考えにくい。
一方、金利上昇が債券に悪影響という話があるが、これも一部言い過ぎがある。
金利が上昇しきれば利回りがよくなるのだから、その後は再投資ありの債券投資ならプラスになる。
煎じ詰めれば、金利上昇は上昇の過程で株式・債券に悪影響となる可能性が高く、上昇を終えると悪影響は終わるのだ。
さて、シーゲル教授が強気の理由に挙げた3つ目は債券の挙動だ。
「もっと重要なのは、これが主たる理由だろうが、債券がインフレ・ヘッジに役立たないことがわかってしまったために、好まれなくなったことだろう。
債券は、地政学的リスクや金融危機に対してはすばらしいヘッジだが、インフレに対してはとても悪い。
・・・
債券利回りは確かに上昇したが、それは株式のリスクに対する究極のヘッジとしての評価を落としたためだ。」
シーゲル教授は、人々が過去40年インフレを忘れていたと指摘する。
それが今思い起こされ、債券が嫌われているという。
教授はさらにインフレ・ヘッジについて述べる。
「株式は不動産と同様、実物資産だ。・・・
株式への長期投資は、長期データを調べてきたが、すばらしい長期的ヘッジになる。」
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