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ジェレミー・シーゲルの2022年の米株価・金利予想のひねり方
2021年11月30日

ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授が、来年2022年の米国株・米金利の予想を披露しているが、かなりいつもと違う趣きだ。


来年の目標株価を言わなければいけないなら、S&P 500で5,000だ。

シーゲル教授がAdvisor Perspectivesのインタビューで24日、「話半分」と断りを入れつつ、来年2022年の米株価を予想した。

前日23日のS&P 500は4,690.70。
ここから6.5%の上昇と、《永遠のブル》としては明らかに控えめな予想になっている。

シーゲル教授は米市場について全体で見ればフェアバリューだと話す。
FRBが急ブレーキを踏んで20%下がる可能性もある一方、その前に好調な業績により10-20%上がるかもしれないという。
このFRBの急ブレーキが教授を慎重にさせているようだ。
そして、FRBに急ブレーキを踏ませるとしたら、それはインフレの高止まりだろう。

「唯一インフレを止められるのは、FRBが流動性拡大を止めることだ。
私は、財政政策より、FRB発表の月次マネーサプライと流動性の数字の方を注目している。
ただ、まだ合意できてない税制については重要になりうる。」

財政政策で一度出てしまったお金は自然と戻るものではない。
市中に流通するお金を減らすには、金融を引き締めるしかない。
ただし、逆方向の財政政策である増税が行われれば、それは流通するお金を減らすだろう。
しかし、もちろん今回の一連の大規模財政支出に見合うような増税が行われる可能性はゼロだ。

「マネーサプライの制御は最終的にはインフレ率を押し下げるだろう。
そのためにはFRBが話しているよりはるかに大きな利上げが必要になる。」

シーゲル教授は、再任が確実となったジェローム・パウエルFRB議長がインフレ退治に取り組むことを期待している。
もっとも、これは投資家にとっては良くないニュースだ。
インフレ退治のための利上げが進めば、資産価格にはネガティブな材料になる。

シーゲル教授は、来年の金利の見通しについても尋ねられている。
教授はインフレ率を超えるような金利にはならないとし、イールドカーブの長短逆転を予想している。
短期が4%、長期が2.5-3.0%という数字を例示している。

「長短逆転の期間構造が将来はもっと一般的になるかもしれない。
長期債の需要が極めて強いためだ。」

シーゲル教授はこの長期債の需要がヘッジ手段としての需要だと見ている。
結果、イールドカーブが長短逆転するという。
スティープではないというが、長短逆転は不吉な前兆だ。
教授は、素直に凶兆どおりの予想をしている。

FRBが十分に支出を鈍化させるには、緩やかな景気後退が必要になるかもしれない。・・・
現在のインフレを鈍化させるために、この先緩やかな景気後退が起こる可能性が高い。


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