ジェレミー・グランサム

 

ジェレミー・グランサム:バブルが本格化する

バブルの研究家として有名なバリュー投資家 ジェレミー・グランサム氏が、バブルの到来・膨張を予想している。
議論のしかたが直観に頼っているところが、バブル膨張の気配を感じさせる。


一方で私は、市場が米史上最高水準の高値にあると認識している。
もう一方で私は、巨大株式バブルの歴史家として、この長い強気相場が噴火またはメルトアップの局面に入る兆候を示しつつあると認識している。

自らを「バリュー学派」と称するグランサム氏が顧客向け書簡で、米国株市場でのバブルの膨張加速を予想した。
米株価は間違いなく高値にあり、証拠も揃っているとしながらも、米市場はこれからバブル膨張を加速していくのだという。

グランサム氏は、大統領選のはるか前、今から4年以上も前からバブルの発生・崩壊を予想してきた。
2014年当時は、バブルが大統領選にかけて膨張し、選挙後に崩壊すると予想していた。
しかし、その後、グランサム氏の株高予想は長期化する。
まだまだ株は上がると言い続けたのだ。
今年に入ると、米市場が2000年前後に変容を遂げたとして、バブルは発生していないとコメントしている。
そして、ついに高名なバリュー投資家は「This time is different」とまで明言したのである。


グランサム氏は書簡の内容を「極めて個人的な見解」と断っている。

「不思議なことに、このバブルの文脈では、割高という単純な事実よりも、統計的でないデータの方が説得力があるのだ。」

グランサム氏は自身の結論を導き出すために様々なチャートを用いている。
しかし、いずれも同氏が言うような説得力は感じられず、かなりご都合主義的な分析だ。
テクニカル分析のていさえ備えていない。

わからなくもない。
現在の金融市場は、米長期金利の趨勢からもわかるように、数十年に一度の転換が起こりうる局面にある。
そうした局面に、緻密なテクニカル分析は無力かもしれない。
テクニカル分析は、もうちょっと頻繁に起こる変動を語らせた方が説得力があるのだろう。

さらに、問題を難しくするのは、ベテラン投資家のライフ・サイクルだ。
米長期金利が35年以上に及ぶ下落局面を終えるかもしれない。
仮に局面が転換すると、再び輝かしい時代がやってくるまで数十年待たねばならないかもしれない。
今40代以上の投資家にとって、次の輝かしい時代は待ちきれない遠い未来になりかねない。
そうした投資家が、足元の輝かしい時代の継続を(たとえ潜在意識下でも)願ったとしても、驚くにはあたらない。
バブルとは、うまく渡れば最高に楽しい時代である。

こうした人々の潜在意識は、バブルを生み出す一つの要因になっているのだろう。
そして、最近の市場にはその匂いがプンプンする。
こうした潜在意識は自己実現的にバブルを生み出すから、バブル膨張の確率も高まっているのだろう。
米市場のバブル膨張は当然、日本市場をも巻き込む話だ。
うまく乗ってうまく抜けろ、また、そういう時代になりそうだ。


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