ジェレミー・グランサム:いつかは1997年以前に引き戻される

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大手投資会社GMOの共同創業者Jeremy Grantham氏が、米国株市場の先行きを長期的視点を交えつつ丁寧に論じている。
今年は昨年末と比べて上げて終える可能性が高いとしながら、来年以降については半ば悲観論を展開した。


グランサム氏はBarron’sへの寄稿で、現在の米株価の持続可能性についてPER、企業収益、金利水準の観点から検証している。
中でもバブルの研究家として知られるグランサム氏の議論で興味をひくのはPERの趨勢的な水準だろう。
グランサム氏は1996年を境にS&P 500のPERの水準が65-70%切り上がっている点を指摘し、こんな可能性に言及している。

「この議論が意味することは、おそらく、仮に急速・劇的なS&P 500の下落を予想するなら、私たちは1997年以前の倍率に戻されてしまうだろうということ。
(なぜなら、過去にも同様なことが起こっているからだ。)
だとすれば、少なくとも相当な将来の期間、実質金利の構造がかつての水準に回帰するプロセスが見られるまで、挫折することを準備しなければいけない」


グランサム氏の予想は高いPER・高い企業収益・低い金利水準が互いに密接に関係していることを示唆している。

年内は大丈夫

もっとも「仮に」とあるように、グランサム氏はすぐさま米国株が暴落すると考えているわけではない。
むしろ最近は「今回は違うという可能性を除外してはいけない」との発言さえ見られる。
では、もう少し短いホライズンの予想はどうなのか。
グランサム氏は今年の企業収益率について3つの追い風:

  • 原油など資源価格は昨年底を打ったように思われる
  • トランプ大統領は年内にある程度の減税に漕ぎつけるだろう
  • 規制緩和は企業のコストを低減する

を挙げ、今年の米市場をこう予想する。

「予想外の重大な悪材料が出てこない限り、米企業の最終利益率は今年上昇し、少なくとも年終わり頃までは市場が上げる年になる可能性が高い。
近い将来大きな下落が起こる可能性は相当に低いと思われる(有名な最後の言葉か?)。」

(次ページ: 忍耐の時が近づく)

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