永遠のブル ジェレミー・シーゲル教授が米経済・株式への強気予想に自信を深め、年内にさらに5%の株価上昇を予想した。
FRBをはじめみんなが目にしているデータを歓迎すべきだ。
シーゲル教授がウォートン・ビジネス・ラジオで、雇用統計、物価統計などについてコメントした。
総じてインフレの沈静化を示唆しているという。
また、最近の債券・株式市場の動きも合わせ、今後の金融政策を予想した。
「これらの動きは、実質金利がしばらく高止まりするが、生産性が原因であるためインフレ的ではない、との見方を裏付けるものだ。
これにより、9月20日の利上げはほぼ可能性がなく、11月もなさそうに思える。」
シーゲル教授は、新たなデータが出るにつれ米経済・市場への見方を強めている。
「数日前、2024年のS&P 500企業の利益予想を見たが、1か月前より良くなっていた。
これは珍しい状況だ。
時間が経つにしたがい、民間予想は下がるのが通常だからだ。
これが意味するのは強い経済、改善する利益、良い生産性見通しであり、株式はこの水準を持ちこたえるだろう。」
米国では大規模な解雇も増えず、労働参加が増える中で賃金上昇ペースが落ち着きつつあるように見える。
シーゲル教授は、これこそFRBが望んだこととし、経済や企業利益にとって望ましいと話した。
このポッドキャストのMCはウィズダムツリーのグローバルCIOを務めるジェレミー・シュワルツ氏。
シーゲル教授の教え子であり、有名な著書『株式投資』(原題『Stocks for the Long Run』、訳:長期投資のための株式)にも寄稿者として名を連ねている。
シュワルツ氏は、その本で教授が月別アノマリーに言及していることを紹介し、最も厳しい9月以降の残り4か月の展開を尋ねている。
そこで、少し変な空気が流れた。
シーゲル教授「ジェレミー(・シュワルツ)が4か月予想を聞いてるよ。」
もう1人のゲスト「教授、あなたの有名な本は『短期トレードのための株式』でしょ!!」
不思議なことに、シーゲル教授をよく知っている人でも、聞きたいのは短期の話なのだ。
信じるかどうかはわからないが、私はまだ5%、もしかしたら10%上がるかもしれないと考えている。
10%は無理かもしれないが、4か月で5%はあると考えている。
今年はすでに良かったから、これはかなり良い。
年初はもっと厳しい展開を予想する人が多かったから、8月まで市場は大健闘したといってよい。
シーゲル教授は、内外で予想外のことが起こりえると断りを入れながらも、現時点では数か月前より状況が大きく改善している点を強調する。
現状では3-4四半期にマイナス成長になる、つまり景気後退が起こるとは考えられないのだという。