政治

ジェフリー・サックス:トランプはコマ、黒幕はコーク

ジェフリー・サックス教授は、米政治が強大な企業の利益のためのゲームになってしまったと嘆く。
米政治が目指すのは金持ちのための減税、メガ汚染者のための規制緩和、そして米国以外での戦争と温暖化である。
トランプ大統領は、中間層のための減税・規制緩和を掲げて大統領になった。
それが富裕層を肥やすことは明らかなのに、なぜか中間層以下からの支持を得てきた。
トランプ政権の政策には建前と本音にずれがあるのに、それを問題視さえできない層が多く存在するのだ。


そして、政治は結局のところ巨万の富を抱える者と彼らに金で買われた政治家によって動かされる。

「税制・気候変動となると、共和党はほぼ完全にコーク兄弟と取り巻きの手中にある。」

企業の経営者が経験を活かし政治・行政の世界で活躍することは悪いことではない。
実際、トランプ政権の大きな売りはそうした人事にあった。
ホワイトハウス内外で著名な実業家が活躍し、それに期待を寄せる人は多い。
実際、ティラーソン国務大臣の母体エクソンモービルはパリ協定への残留を大統領に進言しており、この進言はティラーソン氏の意向だったとの報道さえあった。
実業家が高官を占めてはダメという話では決してなかったはずなのだ。

ところが、結果はパリ協定の離脱となった。
閣僚個々人の資質ということ以上に、トランプ政権には力学が働いているのだろう。
サックス教授は、巨大企業のロビイングが政治を動かし、ついに政府を掌握したと解釈している。

「彼らはたった一つの目的でこれを行っている。
金だ。
正確に言うと、トランプの政策は選挙費用を払い米政府を効率的に動かす企業の利益のためのものだ。
トランプが意味するのは、強力な企業のロビイが長いプロセスの末についに権力への道を買ったということ。
今日、エクソンモービル、コーク・インダストリーズ、コンチネンタル・エナジーなどメガ汚染企業はもはやロビイングの必要さえなくなった。
トランプは彼らに国務省、環境保護庁、エネルギー省へのカギを渡してしまったからだ。
彼らは、議会の要職も握っている。」

サックス教授は、米政治の現状を悲観ししながらも、上院に期待をかける。
上院は52対48で共和党が与党。
共和党に3名の誠実な造反者が現れれば「トランプ=コーク政策」にストップをかけられる。

さらに、米国の暴走に見て見ぬふりを続ける諸外国にも釘をさす。

「今こそ諸外国が米国の無謀で貪欲な企業にNoと言う時だ。
そして、米国自体も裏金と企業の悪意を中枢から排除し、民主主義制度を取り戻さなければいけない。」


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