ジェフリー・サックス:トランプはコマ、黒幕はコーク

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良心の人 ジェフリー・サックス教授がいつにない激しさで怒っている。
世界の貧困問題・環境問題に取り組んできた教授が、トランプ大統領のパリ協定離脱を米政治の企業民主主義化だとして批判している。


「こう言うのは悲しいことだが、彼が愚か者なのは間違いない。」

残念そうに小声で、しかしはっきりと、サックス教授はBloombergでこう述べた。
大統領がこうした汚い言葉を吐くのは慣れてきたが、ジェフリー・サックスが公然と語るとなるとこれは驚きだ。
教授の怒りがひしひしと伝わってくる。
大統領は「夢か空想の世界」にいて米国を19世紀に連れ戻そうとしていると教授は危ぶむ。

「大統領はピッツバーグのためにと言ったが、ピッツバーグ市長は
『ノー、あなたは間違っている。
私たちはパリ気候協定に残りたい。』
と言ったんだ。
・・・
米大衆の70%はパリ協定に残るべきと答えている。」

米労働者のほとんどにとって、石炭産業は他人事にすぎない。
トランプ大統領の協定離脱表明は誰のためのものなのか。
サックス教授は、背後に暗躍する富豪兄弟の名を明言した。

「コーク兄弟は共和党をカネで買い、だからライアン下院議長とマコーネル上院院内総務が・・・
マコーネルの手紙では22名の上院議員が(協定離脱を)求めている。
トランプはただの道具なんだ。」


いかに進歩主義的な立場の学者とは言え、これほど高名な学者が公然と政治家・タニマチを名指しで批判するのは珍しい。
サックス教授は他メディアでも同様に名指しでの批判を行っている。
教授を駆り立てたのは、もちろんパリ協定離脱という無知・愚行に対する怒りであろう。
しかし、それだけと捉えてしまえば、教授の思いを歪めて理解してしまう。
その全体像はProject Syndicateへの寄稿を見ればはっきりする。

「問題はトランプだけにとどまらない。
米国に住む私たちは、米民主主義制度が過去数十年にわたって著しく劣化したことを直接目にしてきた。
始まりはおそらく1960年代、アメリカ人がその政治制度への自信を失い始めた時にさかのぼる。」

(次ページ: 政治のためのカネ、カネのための政治)

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