ジェフリー・ガンドラックに恐れるものはない

新債券王ことDoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏が、CNBCを切り捨てた。
同氏は、以前メディアが自身の発言等を歪めて伝えているとしBloombergやWSJを厳しく非難し距離を置いた経緯がある。


CNBCへの出演がもはや過去のものになったのが残念だ。
出演が続いている間はすばらしいものだった。
咎めるならジム・クレイマーを咎めろ。
わが社はFox Businessへの出演に切り換えるつもりだ。

ガンドラック氏が20日にツイートした。
Bloomberg等と距離を置いて以降、ガンドラック氏についての報道はReuters、Barron’s、CNBCの独壇場となった。
Reutersは折に触れて取材のできる記者がおり、Barron’sでは座談会に出席、CNBCは定期的にインタビューを受ける関係だった。
CNBCは、過去の経緯も勘案したのか、インタビューの際に毎回インタビュー記録を公表している。
ところが、事は違うところから起こってしまった。

CNBCの名物コメンテーター、ジム・クレイマー氏だ。
同氏は元気でワイルドなパフォーマンスが人気で、CNBCでもMCを務めている。
そのクレイマー氏が、少々口を滑らせてしまったのだ。

17日のガンドラック氏のCNBCインタビューは市場関係者の注目を集めていた。
そして放送されると同時に米国株は急落を始めた。
そこに因果関係があったのか否かは明らかではないが、とにかく新債券王が米市場の弱気相場入りを話した時を境に株は下がった。

翌日クレイマー氏はこのことに触れ、ガンドラック氏は「債券に引っ込んでろ」とやってしまったのだ。
株式市場の人間からすれば、債券市場の人間から弱気なことを言われるのは愉快ではないかもしれない。
また、そうした感情とは別に、クレイマー氏が演じているキャラクターから言って「引っ込んでろ」はふさわしい言葉でもあったのだろう。
取り立てて問題視するほどのことでもなかったのかもしれない。


しかし、ガンドラック氏は切れた。
言われる側からすれば無礼この上ない発言だ。
また、ダブルラインは株式ファンドも運用しており、「債券に」と言われる筋でもない。
そして何より、ガンドラック氏は少々瞬間湯沸かし器のようなところがある。
そこで冒頭のツイートとなった。

実は、米市場ではすでにガンドラック氏は新債券王ではなく債券王と呼ばれている。
旧債券王ビル・グロス氏の存在感が薄まるにつれ、世界交代は決定的だ。
そして何より、ガンドラック氏の予想は驚くほど高い確率で当たる。
その債券王を失ったことは、CNBCにとって大きすぎる痛手だろう。

口を滑らせてしまったクレイマー氏も少し気の毒だ。
ガンドラック氏を担当しているスコット・ワプナー キャスターの番組で謝罪の弁を述べている。

「率直に申し上げて、私は今週ジェフリー・ガンドラック氏について不節操な批判をしてしまった。
彼は正しかったし、私は自分の発言について申し訳なく思っており、胸のつかえを下ろしたい。
私の発言は正しくなかった。
あれはバトルの時間の中で高まった熱気だったんだ。
相場がリーマン危機以来最悪の状態になり、いつもと全く違う気分だった。」

クレイマー氏のキャラクターを理解している人なら、こう謝罪する同氏を気の毒にさえ感じたかもしれない。
しかし、これも身から出たさびではある。
ガンドラック氏はこの謝罪に対して何も反応を示していないが、昨晩少し唐突なツイートをしている。

ヘイ、今気づいたけど、FANGって4文字言葉だよね。

「4文字言葉」とは米国でよく使われる、人を罵る時に使う下品な言葉のことだ。
これを文字通り取る人もいるが、CNBCやジム・クレイマーへのメッセージを掛けていると取る人もいるようだ。


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