シラー教授は今ETFをローンチすべきだったのか?

商売上手なロバート・シラー教授の名を冠したETFが11日ローンチされた。
BMO Shiller Select US Index ETF(ZEUS:CN)がそれだ。


ゼウスというティッカーがついたこのETFは、シラー教授のCAPEレシオを用いて銘柄を選択していくのだというから、いわゆるスマートβ戦略に分類されるファンドなのであろう。
シラー教授はThe Globe and Mailにその狙いを語っている。

「我々は個別銘柄を見ていき、20年以上『定番』と放置され、見落とされたり忘れられたりしたものを物色していく。
我々の指数の一つの例はCampbell’s Soupのような地味な銘柄だ。
Microsoftも定番と言える。
こうした方法以外では、米市場には投資できない。

Robert Shiller教授によるCAPEレシオ
Robert Shiller教授によるCAPEレシオ

CAPEレシオは直近で31を超え、過去にこの水準に達したのは1929年の大恐慌前と2000年のITバブルの時期しかない。
市場全体で見れば、米国株は極めて高い。
しかし、個別銘柄で見ればそうでないものもある。
このETFの狙いはそこにある。

そうだとしても、市場全体に割高感が強いのにETFをローンチするのは奇妙だ。
たとえ割安株に重点投資することでベンチマークに勝てたとしても、市場全体が下げてしまえば影響は逃れえない。


「(CAPEレシオが)歴史的平均に戻るだけでも大きな調整、大きな弱気相場になりうる。
しかし、私は現時点ではそうしたことが差し迫っているとは考えていない。
私たちは不可解なトランプ・ワールドにあり、これは強力なプロ・ビジネスのナラティブ(物語)となっている。」

シラー教授は、現在の強気相場を駆り立てる要因を減税期待だとは考えていない。
より広いトランプ大統領の行いに原因があるといい、米国を大恐慌に導いたカルバン・クーリッジに似ていると語った。

一方で、過去のバブルとは異なる点もある。
市場を押し上げているのが根拠なき熱狂ではない点だ。
熱狂ではなく、むしろ恐怖が市場を押し上げているようだと教授は話す。
雇用や将来の生活への不安が、人々を金融投資に駆り立てているという見方だ。

「たくさんの人が将来に不安を感じているがゆえに、株式や住宅に高い代金を払っている。
労働市場での成功に依存することなく生計を支えてくれる何かを所有したいんだ。」

不安や恐怖の中でも金融資産に貪りつく人たち。
結果、歴史的低水準にまで低下したボラティリティについて、シラー教授は自己満足のサインだと指摘する。
自己満足に浸った投資家は、肝心の市場をきちんと直視していないのだという。
前回の危機はリーマン・ブラザーズが引き起こした危機ではないと警告し、皆がその点を思い出す時、市場心理は急変しかねないという。

リーマンは混乱の末期にすぎない。
しかし、1日にして市場が急落した時、リーマンは何が起こっているかを説明する好例となった。
ニュースは過去の物語を報じ始めた。
これが積み重なると
『これと同じことが今起こっている』
と考えるようになるかもしれない。


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